えびなみつる作 白泉社 1994年
言葉はとても少ないのです。でも、人物のにこやかな表情がたくさんたくさん語っています。雪の降る情景も、バスの窓明かりも。そして、くっきりと浮かび上がる彼らの家の窓の灯りも。
お父さんとお兄ちゃんと弟が、うきうきとクリスマスのごちそうを作ります。ろうそくの明かりのもとで三人は食卓をかこみます。お母さんの写真もテーブルの上から参加しています。
雪がやみ、皆は外に出て大きな天体望遠鏡をセットします。
「あの星?」
「そう あの星!」
兄弟は庭にある大きなパラボラアンテナから電話をします。
「メリークリスマス もしもし おかあさん あのね・・・・・
読んでいて涙ぐみそうになったとき、お母さんがどこにいるかわかります。
宇宙船の中なのです。かっこいい、お母さん。お母さんは宇宙飛行士です。