セバスティアン・メッシェンモーザ 松永美穂訳 コンセル 2007年
ある朝、リスがびっくりして目をさましました。お月さまが落ちてきたからです。
リスは、月どろぼうと間違われて牢屋に入れられてはたいへんと、お月さまを木の枝から突き落としました。すると、お月さまは、下で寝ていたハリネズミの背中にささって取れなくなってしまいました。
そこへやぎがやって来て、お月さまを角で突きさしました。すると、お月さまが角にささって取れなくなりました。やぎは角を振り回しているうちに、木に角が刺さって身動きできなくなりました。
動けなくなったやぎとハリネズミの表情がなんとも言えず笑えます。何度も出てくるモノトーンの牢屋の場面は、そのたび爆笑してしまいます。
読み手には、はじめから、「月」は実は「チーズ」であることが分かっているのですが、最後まで読むと、「? やっぱり月だったのかしら?」と思わせるオチで、想像の楽しさを思い切り味わえる本です。
子どもたちは、絵の細部まで読んで大喜びします。でも、一番受けたのはおとなの聞き手でした!