雨、あめ

ピーター・スピア 評論社 1984年

雨が降りだしたので、姉弟はレインコートを着て大きな傘をさして、散歩に出かけます。雨の日は見慣れたものがいつもと違った顔を見せます。それはとても美しい顔です。

ハチの巣箱をのぞき、洗濯物の下を通り、土の道を歩き、電線にとまっている鳥たちを見上げます。雨樋から落ちてくる雨を手で受け、傘で受け、傘を逆さにして受けます。くもの巣にかかった雨粒。自動車の下で雨宿りする猫。

ずぶ濡れになって家に飛びこみ、お風呂に入って美味しいおやつ。室内での遊びや夕食や食後のテレビ。そのあいだにも外では雨が降っています。寝室の窓から見る夜の雨。

翌日はすっかり晴れて、さわやかな一日が始まりました。

この本には字がありません。だから、絵の隅々まで心ゆくまで楽しめます。

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