おたんじょうびおめでとう!

パット・ハッチンス作/渡辺茂男訳 偕成社 1980年

きょうはサム君のお誕生日です。歳がひとつ大きくなりました。それなのに小さなサム君は、自分で明かりをつけようにも壁スイッチに手が届きません。タンスの服にもお風呂の蛇口にも手が届かないので、自分で服を着られないし、自分で歯を磨くこともできない。せっかく両親からすてきなボートをプレゼントしてもらったのに、流しに手が届かないのでボートを浮かべることができません。郵便屋さんがおじいちゃんからのプレゼントを届けてくれたのですが、取っ手に手が届かず、自分でドアを開けることもできないのです。

幼い子の「自分で!」という自立心をどうやって育めばいいでしょうか。大人は「まだ無理よ」といって、その芽を積んでしまいがちです。ところが、ハッチンスは、こうすればいいんですよと、教えてくれます。郵便屋さんが持ってきたおじいちゃんからのプレゼントは何だったと思いますか。おじいちゃん、ナイスジョブ!

同じ作者の『ティッチ』『ぶかぶかティッチ』も幼い子の心理をうまくとらえています。

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