シャーロット・ゾロトウ文/なかがわちひろ訳/松浦さやか絵 あすなろ書房 2018年
女の子が、お母さんの子どもの頃のアルバムを見ています。服もお店も家の中にある物も、お母さんが子どもの頃は、今とずいぶん違っていることに気が付きます。する
とお母さんがいいます。
「そんなことないわ。大切な事は少しも変わっていない。空は青くて、草は緑。雪は白
くて冷たくて、お日さまはまぶしく暖かい。今とおんなじだったのよ」
夜になるとお母さんがベッドで寝かしつけてくれるのも、今と同じだとお母さんはいい
ます。
もっと古いアルバムを開くと、おばあさんの子どもの頃の写真がありました。女の子
は、今とはずいぶん違うと思いましたが、お母さんは、
「そんなことないわ。大切な事は少しも変わっていない。空は青くて、草は緑。雪は白
くて冷たくて、お日さまはまぶしく暖かい。今とおんなじだったのよ」といいます。
曾祖母のアルバムも開いてみます。やはり、たいせつなことは変わらないと、お母さ
んは説明します。そして、女の子が大きくなったら、わが子に同じことを説明してあげ
てねというのです。
ソロトウの「終わりになるものは何もない」という思想に心が揺すぶられます。