マレーク・ベロニカ文・絵/とくながやすもと訳/福音館書店 1965年
ラチは、世界一弱虫の男の子です。
ラチは飛行士になりたいのですが、犬は怖いし、暗い部屋も怖いし、友達さえ怖いのです。それで、ラチはいつも仲間外れにされて、泣いてばかりいました。
ラチは、ライオンの絵が大好きで、こんなライオンがいたら何も怖くないんだけどと思っています。
ある朝、目を覚ますと、ベッドのそばに、小さな赤いライオンがいました。ライオンは、とても強くて、片手で椅子を持ち上げることができました。
ラチはライオンに強くなる方法を教えてもらいます。
自分を小さく弱い存在だと感じている幼い子にとって、切実な願いをかなえてくれるライオンは、お守りのような存在です。
そして、いつか、お守りがなくても、ひとりでいじめっ子をやっつけられるほど、強くなれるのです。
勇気と希望を与えてくれるおはなしです。