かわ

絵巻じたて ひろがるえほん かわ

加古里子作/福音館書店 2016年

1962年に「こどものとも」で出版された『かわ』は、単行本になって、長いあいだ子どもたちに読まれてきました。
公害などの観点から書かれた文章が、年月による環境変化によって途中で変更になったりもしています。歴史を感じさせますね。

その『かわ』が、絵巻のかたちで出版されています。もともと前のページの右端と次のページの左端が続くように描かれていて、ページをめくりながら楽しんでいましたが、それが、ずらっと一枚の絵になっているのです。嬉しくなりました。
広げると、約7メートルです。 
しかも、表からと裏からと両面あるのです。
表から読んでいくと、文字はなくてカラーの絵巻です。細かい描写を想像して楽しみながら読み進めていくと、海に出ます。海の青の美しいこと!
しかも、大海原が4ページも続くのです。水平線は弧を描いています。
裏から読むと、モノトーンで、文章が説明してくれます。科学絵本であることを思い出させてくれます。
おはなし会で手に持って読むのは難しいですが、文庫などの広い床に広げながら読むと、そのスケールに感動すること請け合いです。

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