うみがめのおじいさん

いとうひろし/講談社 2021年

対象を幼児からとしましたが、大人も楽しめます。

同じ作者の『おさるのまいにち』に出てくるあのうみがめのおじいさんの話です。
おさるたちのおだやかな毎日のなかで、うみがめのおじいさんが遥か彼方からやって来るのは、大事件です。
おじいさんは、旅のとちゅうでであったことをおさるたちに話してくれます。
そのストーリーを、おじいさんの視点で書いてあります。

おじいさんは、大きな船にぶつかるときもあるし、ぶつからないときもあります。
うつらうつら波間を漂っていると、そんなことはどうでもよくなってきます。

「ここがどこなのか。
 いまがいつなのか。
 じぶんがなんなのか。」

おじいさんにはどうでもいいことに思えるのです。
そうやって海とひとつになっていくおじいさん。
そんなふうに生きて老いて行きたいと思ってしまいます。

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