シャーロット・ゾロトウ作 ハワード・ノッツ絵 松岡享子訳 偕成社 1981年
楽しく美しい一日の終わり、男の子は寝室の窓からながめながら、お母さんに尋ねます。
「どうして、ひるはおしまいになってしまうの?」
さて、お母さんは何と答えるでしょう。あなたならどう答えますか?
おかあさんは、「よるがはじめられるようによ」と答えて、白く細い月を指さし、「あれが、よるのはじまりよ」といいます。そして、昼はおしまいにならないで、別のところで始まる。どんなものでもおしまいになることはないのだと説明します。
風は止んだらどこへ行くのか、道はどこまで続くのか、山はどこでおしまいになるのか、砕けた波はどこへ行くのか、・・・・
ノッツの繊細な鉛筆画は、遠目はききませんが、母子の対話にぴったり寄り添って、やさしくあたたかです。