藤原幸一 写真・文 偕成社 2018年
南アジアの熱帯雨林にすむゾウ。巨大なからだにやさしい小さな目、黒々とした巨大なうんち!
動物好きの子どもは目が離せないでしょう。
森の木々も空も美しく、よくある自然や野生動物の写真絵本かと思ったら、じつは深いメッセージが込められていたのです。
地球温暖化のせいで、雨期になっても雨が降らず、ゾウの森は、ここ10年で9回も干ばつが起きています。
やせ衰えたゾウが、水をさがして歩きまわり、しまいには柵を越えて人間の土地に入りこみます。人びとは、ゾウを神さまと信じているので、お供え物としてお菓子や果物をゾウに与えるようになりました。
ゾウは、あまいにおいに引き寄せられて、とうとう、人間のゴミ捨て場を発見。ゴミ捨て場のそばのゾウのうんちには、レジ袋がいっぱいつまっていました。
地球温暖化自体が人間のもたらしたもの。自然とうまく着き合えない人間の罪を突き付けられました。