好きな話を
これから時間をかけて覚えて、語りを重ねて育てていくおはなしです。自分の心が求める話を選びましょう。覚えやすそうだからとか、語りやすそうだからとかの理由だけで選ぶと、飽きてしまうことがあります。その話に興味がなくなると、覚えるのも語るのも苦痛になってきます。
自分の心が求める話は、つまりは 「 自分の好きな話 」 なのですが、どうじに、「 聞かせたい話 」 でもあると思います。
映画でも小説でも、おもしろいストーリーに出会うと、だれかに 「 ねえねえ、知ってる?」 って話したくなりますよね。そういうことです。
そして、私たち語り手にとって、聞き手の多くは子どもです。だから、自分がおもしろくって子どもにも聞かせたい話を選べばいいわけです。これが第一の条件です。
子どもが求める話
子どもに聞かせたいといっても、語り手が一方的に押しつけるのではありません。そんなことをしても子どもは聞かないし、たとえ黙って座っていても頭の中ではほかのことを考えています。けれども、その話がちょうどその子が求めている話だったら、のめりこむように聞くでしょう。
聞き手の成長段階や、その時の気分にあった話を選びましょう。これが第二の条件です。
そのためには、子どもと親しくなることがたいせつです。自分の聞き手 ( 子ども ) を知ること。
伝承の語り手の場合は、語り手と聞き手とは生活の場が同じでした。私たちは、わが子や孫に語る機会をのぞけば、おおくは公教育の場でおおぜいの子に語ります。そこに、その子を理解するむつかしさが生じます。
できるだけ自分の住む地域の学校等へ、回数多くでかけて、知り合いになりましょう。サークルで行く場合は、情報を共有し合いましょう。先生方からも情報をいただきましょう。この情報は、いわゆる「個人情報」というような形式的な表面上のものではありません。それはかえって害になる。そうではなくて、おもに行事や最近の子どもたちの雰囲気。知っておくと、子どもと会話するときに役立ちます。会話を通じて、子どもたちと気持ちをつないでいきましょう。
わたしはいまだに、自分の好きな話と聞き手が求める話のあいだにある溝が埋められなくて、迷い続けている気がします。
語り終わった後に、「このような話を求めていたんだ」と思ったとき、分かった気になりますが、それが次も当てはまるわけではないですよね(T_T)
聞き手の子どもたちの特徴をつかめないまま一年が終わってしまうとかもあります。
持ちネタをもっと増やすことがまず第一の課題かな、わたしの場合(笑)
そうね、いろいろ試してみるのがいいと思う。
本番で試す。
子ども相手に試していいのかって言われそうだけど、いいのよ。
何年生の何学期にはこの話って、がちがちに決めて何の意味がある?って思うの。
一生懸命考えて選んで一生懸命覚えて、「ねえ、これってどうかな?」って差し出す。こどもが正直に応える。このダイナミズムがおもしろい。そして、語り手と聞き手を育てる。
いろいろやってみようo(*^▽^*)┛