昔話の結末句(けつまつく)

昔話の結末は、ある一定の文や句で結ばれることが多いです。大きく分けると、つぎのようになります。

1、 形式句
2、 教訓的な文
3、 いわれや起源を説明する文
 
一般的に結末句といわれるのは 1 の形式句に属するものです。たとえば、こんなものがあります。

○ とっちぱれ ( 青森県 )
○ どっとはらい ( 東北地方北部 )
○ いちご栄えた ( 東北 ・ 関東 ・ 中部地方、近畿 ・ 中国地方の一部 )
○ とうぴんぱらり ( 東北地方 )
○ たねくさり ( 京都府 )
○ むかしこっぷり ( 中国地方 )
○ 昔まっこう ( 中国・四国地方 )
○ 米ん団子 ( 大分県 )
○ いまでもたっしゃで、裕福に暮らしています( シベリア )
○ 長い縄はいい縄なんだ、けれどおしゃべりは短ければみじかいほどいいもんだ ( コーカサス )
○ もし死んでいなければ、今でも生きているでしょう ( ロシア )
○ わたしもそこにいたんだよ。そして、はちみつ酒とワインを飲んだのさ。だけど、ひげをつたって流れてしまい、口にははいらなかったよ。わたしは、ドイツとうひの森へ行った。そして、お金を革靴に入れて運んで行ったんだ。お金は、落ちてしまったよ。おまえは、そのお金を拾い集めて、この上着を買ったんだな。さあ、その上着を返しておくれ! ( リトアニア )   
などなど。
 
とっても印象的ですね。これでファンタジーはおしまい、という合図です。書物ならばここで裏表紙を閉じる、ということです。
これも発端句と同じく伝承性がつよく、日本の昔話ならばたとえば、とっちぱれ伝承圏、むかしこっぷり伝承圏などと把握できるそうです。これらの語のもともとの意味は分からないものが多いそうです。

昔話は発端句と結末句にはさまれた枠のなかでのファンタジーだ、と考えればいいですね。