イソップ物語

古代ギリシャのイソップ(アイソポス)が作ったとされる寓話集です。

寓話というのは、たとえ話を用いて人の世の教訓や風刺を表したものです。
イソップ物語では、動物を擬人化したものが多いです。
現在では、イソップ物語は、子どものためのお話のように取り扱われることが多いですが、もともとは子どものためのものではありませんでした。

イソップは、紀元前620年頃~560年頃の人物で、もとは奴隷だったと伝えられています。けれども正確なことは分かっていません。実在しなかったという説もあります。
イソップは、それまでに民間に伝えられていた話を集めて、民衆に語ったようで、それを本にまとめたわけでもなく、また自ら創作したわけでもないようです。

イソップが生きていた時代以降、イソップの話として伝えられてきた説話群があって、それが紀元前4~3世紀にデメトリオスによって10巻本にまとめられました。それが書物化された最初だったようです。
それ以降、ほかの話も追加されて、大きくなっていきました。
また、他の国の言語に翻訳されたとき、その国の説話も取り入れられて、さらに大きくなっていきました。

イソップ物語が昔話に取り入れられた例もたくさんあります。ATU110「猫の首に鈴をつける」や、ATU112「町のねずみと田舎のねずみ」ATU275「うさぎとかめの競走」などです。

日本では、1600年前後に、『伊曾保物語(いそほものがたり)』として翻訳出版されています。