びんぼうがみ
話型名「貧乏神」は、『日本昔話通観』では、「超自然と人」のなかの〈寿福〉に分類されています。「貧乏の神さま」なのに「福」をさずける話というのは興味深いですね。
貧乏神の昔話には、2つの型があります。
1、 貧乏で怠け者の夫婦が家出しようとすると、貧乏神がついてくる。そこで家出をやめて一生懸命に働くと、貧乏神が逃げて行って金持ちになります。
2、 貧乏な怠け者が金持ちになりたいと思っていると、貧乏神が出て来て金持ちになる方法を教える。成功して金持ちになる話と、失敗して元の貧乏になる話があります。
怠け心や物欲、貧乏であることのみじめさなど、庶民にとって身近なテーマであるからか、さまざまな貧乏神が各地で語られています。それは、語り手の人柄や、聞き手も含めた環境をほうふつとさせます。短いけれど味のある話が多いです。
そのなかのいくつかをここに紹介します。ダウンロードボタンをタップすると物語のPDFファイルが開きます。
《日本の昔話》にも東京都に伝わるものを1話のせています。⇒こちら