おそとがきえた!

おそとがきえた!

角野英子文 市川里美絵 偕成社 2009年 

おばあさんのチラさんは、ねこと暮らしています。
大きな町の高い建物に囲まれた、小さな平屋の家に住んでいます。
窓はたくさんあるのですが、窓から見えるのは、となりの建物の壁ばかり。空も見えないし、太陽の光も届きません。
訪ねてくるお客もないのですが、チラさんと猫は、とても仲良しです。
ふたりは、「おばあちゃん住宅抽選係」に何度も手紙を書くのですが、なかなか当たりません。

ある冬の日、窓の外がまっ白になって、おそとが消えます!
チラさんは、ストーブのスープから上がる湯気が窓を曇らせているのを見て、窓ガラスにおそとの絵を描きます。
花や小鳥、ベンチやブランコのあるお外。アイスクリーム売りも描きます。

春になると、とうとうおばあちゃん住宅に当選して引っ越します。すると、その家は、おそとが・・・

湯気で曇った窓ガラスに絵を描いて遊んだことは、だれにでもあるのではないでしょうか。その空想の世界が、奇跡のように現実になる。希望の絵本です。

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