きのこのばけもの
秋田県(あきたけん)の昔話
山に生えている野生のきのこと、スーパーなどで売っているこのことでは、大きさも色合いも肌触りもずいぶん違うことが多いです。
どの種類のきのこもかわいいのですが、すごく生命力が感じられます。
毎晩やってくるかわいい娘たちのイメージが、きのこにぴったりです。
発端句と結末句もちゃんとついていて、短いけれど、昔話らしさがよく出ている話です。
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話型名は「源五郎の天昇り」といって、何らかの偶然で天にのぼって、幸運を手に入れる話を誇張して語った笑い話です。
その何らかの偶然というのは、たとえば、なすの苗を植えたらどんどん育って天まで届いてしまったとか、桶屋が桶を作っているとき、たがにはじかれて天にのぼったとか。「かみなりさまとかさやさん」は、傘が風に吹かれて、いっしょに天まで飛んで行きます。
結末は、夢だったとか、桑畑に落ちたとか、竜宮まで落ちて歓待されたけど釣り人に釣り上げられたとか、琵琶湖に落ちて源五郎ブナになったとか、さまざまです。
幼い子に語れるものを再話してみました。
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やさぶろうばあさん
怖い話です。
ここに紹介したのは新潟県の伝説ですが、「千匹狼」という話型で昔話として全国に広がっています。そして、各地で、その土地の話として定着していったようです。
古いところでは、平安時代の武将源頼光の家臣渡辺の綱のエピソードとして有名です。京都の一条戻り橋に出る鬼を、綱がやっつける話です。
ところで、新潟のこの話では、弥三郎ばあさんの正体は鬼婆ですが、鬼婆ではなくて猫だったという話が多く残っています。ばけねこです。
おおかみのリーダーが猫、というのもふしぎです。
おおかみがはしごになって登って来るというエピソードは、ロシアやほかの国にもあります。
夏の怖い話のおはなし会に向けて、どうぞ。
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