国引き

くにひき

出雲国風土記

日本の神話といえば、『古事記』『日本書紀』だけを考えてしまいがちです。けれども、各地の地理や産業などを国ごとにまとめた『風土記』にも、各地に伝わる神話が伝えられています。
『風土記』は、散逸しているものが多いのですが、わずかに残った記録から、興味深い物語をひろうことができます。

ところで、日本という国がどうやってできたかという国生み神話がります。
『古事記』『日本書紀』では、イザナキとイザナミが天上の天の浮橋に立って下界の海の中を鉾(ほこ)でかきまぜて、オノコロ島を作ったとあります。そこからつぎつぎと国を生んでいきました。
けれども、出雲の国は、ちょっと様子が違っています。イザナキ・イザナミではなく、八束水臣津野命(やつかみずおみつののみこと)という神さまが、ひとりで、あちこちから土地を引っ張ってきてぬいあわせて作ったというのです。

『古事記』『日本書紀』はいわば垂直思考なのにたいして、『出雲国風土記』は水平思考。神さまが上から見下ろして作ったのではない、民衆と同じ地平で作ったというのが興味深いです。


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むかでの使い

むかでのつかい

滋賀県の昔話

話型名は「百足(むかで)の使い」

百足は足がたくさんあるから、使いに適任だと思ったのに、草履をはくのに手間取って、かえって時間をとったという話。

類話の「むかでの医者むかえ」⇒こちらに比べて、ごちそうを食べようというのんきな状況なので、むかでもかえるものどかな表情です。

「足が多いからわらじがはけないんだ」という理由が分からない子どももいるかも知れません。さきに「むかでの医者むかえ」を語ってから「もうひとつ」と、おまけのおまけで語るのも楽しいと思います。


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むかでの医者むかえ

むかでのいしゃむかえ

宮城県の昔話

話型名は「百足(むかで)の使い」

百足は足がたくさんあるから、使いに適任だと思ったのに、草履をはくのに手間取って、かえって時間をとったという話。

おまけの話にどうぞ。


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プクサの魂

ぷくさのたましい

アイヌの昔話

アイヌの世界では、動物が神様であるだけでなく、植物も神さまであり、なべや器も神さまです。
神として尊ぶことで、この世のあらゆることが自然に循環していくのです。
現代人が忘れがちな生き方を、アイヌの昔話は教えてくれます。

編者である萱野茂さんは、解説に、「昔話は、人々にとってきわめて身近な話で、しかも人間としてしなければならないことや、してはいけないことを教えています。」と書いています。


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ありはありったけ

香川県の昔話

動物たちが道で見つけたものやつかまえた獲物を分配する話は、あちこちに残っています。たいていは、このような言葉のシャレを楽しむ話です。

お金の単位が文(もん)なので、幼児には向きません。ちょっと残念。
小学生以上でも、「昔は、お金を、いちもん、にもんって数えたのよ。そのころのおはなしです。」とひとこと説明してから話すといいでしょう。

このようなレパートリーを持っておくと、お話をもうひとつとせがまれたときに便利ですし、雰囲気がとても和やかになります。


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