腹を立てた貧乏神

はらをたてたびんぼうがみ

山口県の昔話

もとの題は「大晦日のお客」。
「大歳の客」と「貧乏神」が合体したような話です。

大晦日にやって来る来訪神がこの話では貧乏神として登場します。
気のいいおじいさんとおばあさんの会話にほっと癒されます。
腹を立てる貧乏神も、憎めません。
最後のどんでん返しがおもしろいです。
短いけれど楽しい話です。

貧乏神の典型的な話はこちら⇒「貧乏神」


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歌を歌うねこ

うたをうたうねこ

秋田県の昔話

怖い話ですねえ。
でも、この話は、もともと猫の怪異を語ろうとするものではなくて、猫がとても達者に芸をすることを楽しむ笑い話の要素が強かったそうです。
猫のやる芸は、歌だけではなくて、浄瑠璃(じょうるり)や芝居、踊りなどがあります。
猫は身近な動物なので、昔話にもよく出てきます。こわくて暗いイメージの話が多いのはなぜでしょうね。同じ身近な動物でも、犬と対照的です。

「怖い話をして」っていわれたときにどうぞ。幼い子には、ほんとうに怖がるからやめておきましょう。


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まつぼっくり

島根県の昔話

果てなし話です。
同じ言葉で同じ動作やことがらをくりかえす話。リズムや擬音語が楽しいので、聞き手ははじめのうちはよろこんで聞くし、すぐに覚えていっしょに声に出したりします。
けれども、いつになってもおしまいにならないので、飽きてしまって、「もうやめて」といいます。だから、もっともっととおはなしをねだる子に、話を切り上げるために生まれたのが、この果てなし話です。
地域によって、切りなし話とか、眠たい話、ぶらぶら話、長い話というそうです。

岡山県の「へびの天のぼり」⇒こちらも見てください。


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蚕の始め

かいこのはじめ

山梨県の昔話

話型名は「蚕由来」といいます。二つの系統があるそうです。
ひとつは「おしらさま」として有名な馬と娘の異類婚姻譚。
もうひとつは、ここに紹介した話で、継子話でもあります。これは、筑波の蚕影神社(こかげじんじゃ)の縁起として知られている話です。
どちらの系統も、風土の伝統や宗教的な色合いが残っていて、悲しい最後になっています。
養蚕は、全国に広がる一大産業でもありましたが、それに従事する農民たちにとっては、厳しい自然の中での一家総出での重労働だったからではないでしょうか。

絹糸がどうやってできるかということとともに、高学年の子どもにつたえたい話です。


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たこつり長兵衛

たこつりちょうべえ

青森県の昔話

主人公の長兵衛は、幸せになるために積極的に何かをしたわけではありません。あえて言えば世の中を見ようと旅に出たことが、人生を変えるきっかけになったことくらいでしょうか。
偶然出会った娘の積極性のおかげで、長兵衛も息子も幸せになります。
家で待っていた息子は、父親よりもっと消極的ですね。
それでも、人生何があるか分からない、幸せを手に入れます。

昔話には、まっとうに幸せを手に入れる者と、訳もなく幸せになる者があります。おもしろいです。

後半は宝化け物のはなしです。


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