山形県の昔話
「猫檀家(ねこだんか)」の類話です。
よくあるのは、貧乏寺の和尚さんが飼っているねこが、和尚さんに恩返しをするパターンです。ここは、和尚さんではなくて、おじいさんおばあさんになっています。おじいさんおばあさんとねことのやり取りが心を打ちます。
動物が恩返しをする話は、日本にもたくさんありますが、世界的にもたくさんあって、へびやねこなどの恩返しの話が残っています。
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けやきのたいぼく
山国の日本では、人びとの生活は、かつては森林と切っても切れない関係にありました。
木は、燃料にもなり建築材料にもなり、季節にあわせて食料も提供してくれました。
人の手の入った山を里山といいます。おじいさんがしば刈りに行くのはこの里山、かちかち山のたぬきと出会うのも里山です。
最近は、里山での人間の営みがなくなってしまって、奥山から、いきなり里(町)へ、くまやシカやイノシシなどの野生動物が出てくるようになりました。かつては、里山が緩衝地帯になっていたのですが。
それはさておき、木が人にとってなくてはならない存在だったころ、人は木に霊が宿ると考えていました。
今では、神社の背後の杜(もり)ですらあまり残っていません。
けれど、古い大きな木にしめ縄をまいてある神木(しんぼく)は今でも時どき見かけますね。
そんな木に宿る霊の伝説や昔話が、たくさん残っています。
京都の三十三間堂の棟木の由来は有名です。山形県の「めしを食わないよめさん」⇒こちらにも木の精が出て来ます。
今回の「けやきの大木」も木の精の話ですが、木の精どうしが恋をしたりわが子を思ったり。まるで人情噺のようです。
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