さるの婿さん

さるのむこさん

京都府の昔話

京都府の丹後地方に伝わる「猿婿」です。

話型名「猿婿」の類話は、ほぼ日本全国に分布しているそうです。ただし、猿のいない地方にはあまり伝わっていないとのことです。
東北や関東に多いのは、里帰り型で、娘が猿の嫁に行って初めて里帰りをするときに、臼を背負った猿が娘にたのまれて桜の木の枝をとろうとして、川に落ちて流されます。西日本に多いのは、今回のように、娘が嫁に行く途中で猿を川に落としてしまう嫁入り型です。

どちらにしても、気の毒なのは猿ですが、しょせん人間と野生動物とは結婚できません。
娘が主体的にえがかれ、力強く自分を救うこの「猿の婿さん」、けっこう気に入っています。

高学年向き


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風鈴おどり

ふうりんおどり

宮城県の昔話

お金がなくて年を越せないのは、とってもみじめです。昔話には、そんな設定がよくありますね。
この話は、そんな暗さを、にぎやかな音楽と歌と踊りではね返す庶民のエネルギーを感じさせます。
主人公の夫婦はもちろんのこと、見物の人たちも小僧さんも和尚さんも、みんな不景気で生きにくい世の中を生きているんでしょうね。共感すること、助け合うことの大切さが語られています。

大人や大きな人向けだけれど、歌のおもしろさから、幼い子でも楽しむでしょう。


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鏡のおやじ

かがみのおやじ

岩手県の昔話

鏡を知らない人たちの話ですが、いったい舞台はいつ頃なんでしょう。
ナンセンスな笑いばなしだから、そんなことを詮索する必要はないのでしょうけれどね。

全国に伝わっている笑い話です。
愚か者をばかにして笑う話なのですが、主人公も妻も村の人たちもみな情に厚い人たちでほのぼのとします。

大人向きの話です。


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ぐつのお使い

ぐつのおつかい

長野県の昔話

話型名は「法事の使い」といいます。愚か話のひとつです。
登場人物は、兄と弟だったり、親と子どもだったり、和尚と小僧だったりして、全国に残っている話です。

天真らんまんな主人公「ぐつ」の失敗に、大人(兄、和尚)がふりまわされるのが痛快です。そして、ふりまわされても、困ってはいるけれど、本気で憎むことがないのも、ほっとします。

法事、和尚の衣、甘酒、甕、風呂をわかすなどの環境は、現代の子どもにはなじみのないものです。だから、幼い子どもには理解できないのが残念です。ちょっと説明すればわかる程度の3,4年生以上の子どもたちにどうぞ。


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ちゃくりかきふ

京都の昔話

落語絵本に『ちゃっくりがきぃふ』(桂文我/梶山俊夫絵/福音館書店)があります。
若いころ、落語で聞いていて、売り声が歌になるのがおもしろいなあと思っていたんですが、絵本で読んでも子どもたちとってもよろこびます。それが昔話として語られていた資料を見つけました。
思い切りはじけて楽しむおはなしですね。


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