新潟県の昔話
原題は「鼻たれ小僧」。話型名「竜宮童子」です。
竜宮からもらってくる小僧の名前は、ここでは「とほう」ですが、ほかに、「はぎわら」「よげない」「ひょうとく」「うんとく」「うん」などの名前があるそうです。その土地の言葉で何か意味がありそうですが、調べようがありません。
海や川に、花や薪を投げ込んで、亀や魚に竜宮に連れて行ってもらい、お土産をもらってくるという話は、だいたい三つの種類があるそうです。
ひとつは、この「竜宮童子」。子どもをもらってくる。これがいちばん分布が少なくて、現在、新潟,岩手、熊本に限られているようです。
ふたつ目は、「竜宮小槌」。呪宝をもらって帰り、幸せになって終わる。
三つ目は、「竜宮子犬」。富を生み出す子犬をもらって帰る。隣人または兄弟がうらやんで子犬を借りるが失敗して殺してしまう。主人公が子犬の亡骸を庭にうめると、木が生えて、富を落としてくれる。
三つとも設定がよく似た話ですが、結末が異なります。ラストが違うと、ずいぶん雰囲気も違いますし、テーマも変わってきますね。おもしろいです。
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