ぶんぶくちゃがま

長野県の昔話

茶釜で湯を沸かしたら、茶釜からたぬきが頭を出し、足を出し、しっぽを出して、逃げて行った。子どもの頃聞いた話のその部分だけが強く残っていました。印章的な昔話です。

話型名「文福茶釜」
狐や狸が茶釜に化けて人間に恩返しをしたり富をくれたりする話です。全国に分布しているそうです。
2つの型があります。

1,狐が、茶釜、女、馬に化ける。3回化けるのです。この型では、冒頭で、狐が子どもにいじめられているのをおじいさんが助けます。その恩返しに、きつねが化けてお金をもたらします。
最後は馬に化けるのですが、馬は疲れて倒れます。おじいさんは、馬のためにお堂を立ててまつります。

2,狸が、1回だけ、茶釜に化けます。今回紹介した話はこの型です。
そんな茶釜がお寺の宝になったという伝説が各地にあるそうです。が、狸になって逃げて行ったんなら、茶釜はお寺にないはすですね、、、

1は、笑いの中にもしみじみと涙をそそりますが、2は、笑い話です。年齢を問わず笑ってくれると思います。

テキストは『語りの森昔話集6プレッツェモリーナ』に掲載しています。⇒書籍案内

日常語での語りが聞けます。

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