たいとふぐ

大阪の昔話

極楽の門に鬼の門番がいるというのは、昔話に限らず、世間話や落語などによくあるモティーフです。
また「ふぐ(ふく)は内」というダジャレのオチも、節分の話ではよくあります。
だから、この話は、どこにでもあり得る笑い話といえます。
ところが、和泉の国の岡田浦と、実際に存在する土地が明示されていますね。
ここに語り手の遊びがあります。自分が聞いた話を、自分の土地のこととして、さもあったことのように語る、そのおかしさ。語り手も楽しいし、聞き手もおもしろい。
こんな気持ちで笑い話を語りたいものです。

地名が示されていますが、聞き手に信じさせようという意図はないので、「伝説」とはいえないでしょう。

共通語テキストは『語りの森昔話集6プレッツェモリーナ』に掲載しています。⇒書籍案内

日常語の語りが聞けます。


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