つるのおんがえし
鳥取の昔話
話型名は「鶴女房」。罠にかかっていたつるが美しい娘になって恩返しにやって来る話です。つるを助けるのは、ここではおじいさんになっていますが、若者であることが多いです。そして、若者の女房になる、つまり、異類婚姻譚が本来のかたちのようです。
小学低中学年に語りたかったので、婚姻譚でないほうを選びました。
ところで、機を織っている姿を見てはならないというタブーを冒したために、つるは去っていきます。昔話では、よくタブーが出てきます。そして、タブーは必ず破られます。そうやってドラマが構成されていくのです。その一方で、機織りは古来女性の仕事で、古くは、機織り場は神聖な場所だったという説があります。その神聖な仕事をしている場面を見てはならなかったのです。昔話の構造と、古代信仰とが、すばらしく合致していますね。
子どもに語ってみると→井戸端会議
共通語テキストは、『語りの森昔話集3しんぺいとうざ』に掲載しています。⇒書籍案内