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むみょうの橋

むみょうのはし

岡山県の昔話

怖い怖い話です。

これとよく似た話を、さまざまなバージョンで聞いたり読んだりしたことがあります。たとえば、「母親が、子どもをがけから突き落とす、次に生まれた子どもをドライブに連れて行くと、おしっこがしたいというので車から降りてがけの上に連れて行く、その子がふりむいて、今度はつき落とさないでねっていう」などなど。
現代の民話ですね。都市伝説ともいいます。
でも、「こんな晩」という話型名もちゃんとあるんですよ。

私は、都市伝説のほうを先に知っていて、それが昔から語られていた話の類話だと知ってびっくりしました。「こんな晩」も、さまざまなバージョンがあります。探してみてください。

国際話型では、ATU960「かがやくお日さまが、明るみにだす」。ギリシャ神話や新約聖書にもあるそうなので、見てみようと思っています。グリム童話にもあります。⇒こちら

大人向きの怖い話として再話しました。


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運定め

うんさだめ

鹿児島県の昔話

人間は生まれたときからその運命が定められているというモティーフは、世界じゅうにあります。
運命を変えようとしてどんなに努力しても逃れられない、その過程をストーリーとして語る場合が多いです。でも、ここで紹介した「運定め」は、父親がむすめの幸せを念じて、運命から逃れようとして、成功します。

このモティーフを持った昔話は、例えば日本の場合、
男女の福分 こちら⇒「おおかみのまつ毛」
水の神の寿命 こちら⇒「七つの年の水の寿命」
虻と手斧
夫婦の因縁 こちら⇒「ねずみの聞耳ずきん」などがあります。
王位の約束という話は、グリム童話KHM29「三本の金髪を持った悪魔」とそっくりです。そのうち紹介しますね。


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月の夜ざらし

つきのよざらし

新潟県の昔話

美しいけれど、ぞっとするような恐ろしい話です。
日本の昔話での類話はあまりないようです。国際的な分類ではATU365「死んだ花婿が花嫁を連れ去る」に分類されるそうですが、同じぞっとする話でも、情緒がずいぶん異なりますね。
わけもなく夫のことがいやになる妻。心理的にも深いものがあります。
大人の話です。


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鮭の大助

さけのおおすけ

山形県の昔話

話型名「鮭の大助」

恵比寿講の由来譚です。
恵比寿講は、七福神の一柱えびすさまを祀るお祭りです。恵比寿神社は全国にありますね。それで、この話も各地に残っています。
伝説的な色合いが濃いです。

鮭の大助の声を聞くと、三日後に死ぬとか、次の年は不作だとか言い伝えられているそうです。その晩は子どもは外に出さないとか。

自然界と神と人間のふしぎなかかわりを考えさせられる話ですね。


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月見草の嫁

つきみそうのよめ

新潟県の昔話

異類婚姻譚ですが、異類といっても、きつねやつるやかえるなどの動物ではなく、月見草という植物です。

月見草は、夏の花です。夕方から夜にかけて花を開くので、「月見草」とか「宵待草(ヨイマチグサ)」「マツヨイグサ」とか呼ばれます。

はかないけれど、花の特性にマッチした美しいお話ですね。


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