「心が温かくなる話」カテゴリーアーカイブ

腹を立てた貧乏神

はらをたてたびんぼうがみ

山口県の昔話

もとの題は「大晦日のお客」。
「大歳の客」と「貧乏神」が合体したような話です。

大晦日にやって来る来訪神がこの話では貧乏神として登場します。
気のいいおじいさんとおばあさんの会話にほっと癒されます。
腹を立てる貧乏神も、憎めません。
最後のどんでん返しがおもしろいです。
短いけれど楽しい話です。

貧乏神の典型的な話はこちら⇒「貧乏神」


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プクサの魂

ぷくさのたましい

アイヌの昔話

アイヌの世界では、動物が神様であるだけでなく、植物も神さまであり、なべや器も神さまです。
神として尊ぶことで、この世のあらゆることが自然に循環していくのです。
現代人が忘れがちな生き方を、アイヌの昔話は教えてくれます。

編者である萱野茂さんは、解説に、「昔話は、人々にとってきわめて身近な話で、しかも人間としてしなければならないことや、してはいけないことを教えています。」と書いています。


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七つの年の水の寿命

ななつのとしのみずのじゅみょう

新潟県の昔話

話型名「水の神の寿命」
生まれたときに、神さまから水で死ぬ運命を授けられる話。
この類話には、2種類あって、ひとつは、親の力で運命を逆転させる話、もうひとつは、どんなに頑張っても運命には逆らえなかった話。
この新潟の話は、前者ですが、親の力というより、親の人の良さ、心の温かさによって運命が変わった話です。

何の飾りもない文章をそのまま生かして再話しました。心をこめて語ってくださるとうれしいです。


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お酒の泉

おさけのいずみ

鹿児島県の昔話

親孝行の息子が、父親のためにいつも酒を買ってくる、あるとき、泉の水がお酒に変わっていたという孝子伝説があります。
岐阜県の養老の滝の伝説が有名ですね。

親孝行とは別に、貧しい者が酒の湧き出る泉などを発見して幸せになるというモティーフは、庶民に人気があったようです。
「炭焼長者」「産土問答」「芋掘り長者」などに出てきますが、これがお酒ではなくてお金だったというバージョンもあります。


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山の神さまと磐司

やまのかみさまとばんじ

岩手県の昔話

農民にとっては、山には山の神様がいて山を守り、春になると、田に下りてきて田の神様になるという信仰があります。田の神様は、秋になると山に帰っていきます。
春祭りは、山の神様を迎える祭りで、秋まつりは、山へ送る祭りです。

けれども、猟師や木こり、炭焼きなど、山で生計を立てている人たちにとっては、山の神様は、常に山にいて、山を守ってくれています。

山の神は女性で、出産は穢れとして嫌われていました。山の神の祭りに女が参加するのも禁じられていました。山の神が嫉妬するからです。
この磐司の話は、山の神の祭りの由来を語っています。


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