きぶつかなぶつ
大分県の昔話
話型名「木仏と金仏」
信心深い男の木仏と金持ちのりっぱな金仏との業比べの話。
この木の仏さまと金の仏さま、「ねずみのすもう」の貧乏なじいさまのねずみと金持ちの家のねずみによく似ていますね。「ねずみのすもう」は幼い子に向きますが、「木仏金仏」は、幼い子にとっては、言葉が少し難しいのと、木仏を手に入れたいきさつが難しいです。中学年以上なら楽しめると思います。
類話はあまりないようですが、ほんわかしたいい話です。
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あわのせいざえもんときょうのふるかねやでんべえ
阿波の国は現在の徳島県のあたりです。
清左衛門は、売れない仏壇を背負って、はるばる京の都までやってきます。京なら、お仏壇が売れると考えたのです。距離感と文化の差が何気なく表れていておもしろいです。
そして、この話が語られたのが新潟県というのも興味深いです。
古金屋というのは、主に金属類をあつかう古物商のようです。
清左衛門も伝兵衛も、平凡な庶民ですが、ふたりとも誠実に生きていて、それをお殿さまが感心してほうびをあたえるのも気持ちいいです。
それにしても、ふしぎな鉢ですね。
中学生以上。
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うんさだめ
人間は生まれたときからその運命が定められているというモティーフは、世界じゅうにあります。
運命を変えようとしてどんなに努力しても逃れられない、その過程をストーリーとして語る場合が多いです。でも、ここで紹介した「運定め」は、父親がむすめの幸せを念じて、運命から逃れようとして、成功します。
このモティーフを持った昔話は、例えば日本の場合、
男女の福分 こちら⇒「おおかみのまつ毛」、
水の神の寿命 こちら⇒「七つの年の水の寿命」、
虻と手斧、
夫婦の因縁 こちら⇒「ねずみの聞耳ずきん」などがあります。
王位の約束という話は、グリム童話KHM29「三本の金髪を持った悪魔」とそっくりです。そのうち紹介しますね。
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