「恐い話」カテゴリーアーカイブ

くもの化け物

くものばけもの

宮城県の昔話

化け物寺の話です。
日本じゅうに化け物寺があるのはどうしてでしょう。古くなった道具類が化けるとか、狸が化けるとか、小判が化けるとか、その正体は様々です。
そして、化け物の正体を見破ったり、退治して宝を手に入れたりそのお寺を復興したりしてハッピーエンドで終わります。

このような肝試しの話は外国にもあります。
グリム童話にもKHM4「こわがることを覚えに旅に出かけた男の話」があります。スペインのマヨルカ島の「この世の光」⇒こちらもそうですね。くらべてみると、面白いです。


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ぼっこ食いあねさま

ぼっこくいあねさま

岩手県の昔話

「ぼっこ」というのは、秋田県や岩手県で赤ん坊のことをいいます。

婿入りの資格試験の話を「難題聟」といいますが、ここでは、「ぼっこを食べる」という難題をパスした主人公が、長者の娘の婿になります。
肝試し的な要素がありますね。

赤ん坊を食べる娘のようすは、まるで怪談です。
聞き手を怖がらせて、ほっとして笑わせる話です。


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歌を歌うねこ

うたをうたうねこ

秋田県の昔話

怖い話ですねえ。
でも、この話は、もともと猫の怪異を語ろうとするものではなくて、猫がとても達者に芸をすることを楽しむ笑い話の要素が強かったそうです。
猫のやる芸は、歌だけではなくて、浄瑠璃(じょうるり)や芝居、踊りなどがあります。
猫は身近な動物なので、昔話にもよく出てきます。こわくて暗いイメージの話が多いのはなぜでしょうね。同じ身近な動物でも、犬と対照的です。

「怖い話をして」っていわれたときにどうぞ。幼い子には、ほんとうに怖がるからやめておきましょう。


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たこつり長兵衛

たこつりちょうべえ

青森県の昔話

主人公の長兵衛は、幸せになるために積極的に何かをしたわけではありません。あえて言えば世の中を見ようと旅に出たことが、人生を変えるきっかけになったことくらいでしょうか。
偶然出会った娘の積極性のおかげで、長兵衛も息子も幸せになります。
家で待っていた息子は、父親よりもっと消極的ですね。
それでも、人生何があるか分からない、幸せを手に入れます。

昔話には、まっとうに幸せを手に入れる者と、訳もなく幸せになる者があります。おもしろいです。

後半は宝化け物のはなしです。


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化け物と踊った話

ばけものとおどったはなし

青森県の昔話

日本には、物が古くなると化けるという俗信が古くからあります。付喪神(つくもがみ)と呼ばれています。
百鬼夜行の絵巻にも、道具の化け物が描かれています。
物は粗末にしないで、ちゃんと使い続けましょう。

話型名「宝化け物」青森県から鹿児島県まで全国に残っています。
岡山の「サイデン、サイデン、小僧、小僧」も同じ話型です。

国際的には、ATU236A「苦痛から解放された魂」
埋もれた宝が発見者を求めて化けるのです。タンス貯金はだめですね(笑)
バレアス諸島の「この世の光」もこの話型ですが、「化け物と踊った話」とはずいぶん雰囲気が異なります。

共通語テキストは『語りの森昔話集6プレッツェモリーナ』に掲載しています。⇒こちら

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