「異界に行く話」カテゴリーアーカイブ

山の神と童子

やまのかみとどうじ

鹿児島県の昔話

天竺へお参りする途中、出会った人たちから、ついでにおがんできてくれと、それぞれ、課題を託されます。主人公の男の子は、快く引き受けて、旅の帰りに答えを教えてやります。
これは、日本だけでなく、世界じゅうにある話型です。
ATU460「神のところへの旅」

山の神さまは、女のこともあるし、男のこともあります。ここでは、白髪のおじいさんですね。そして、樫の木の精でもあります。素朴な自然信仰の名残です。


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月の夜ざらし

つきのよざらし

新潟県の昔話

美しいけれど、ぞっとするような恐ろしい話です。
日本の昔話での類話はあまりないようです。国際的な分類ではATU365「死んだ花婿が花嫁を連れ去る」に分類されるそうですが、同じぞっとする話でも、情緒がずいぶん異なりますね。
わけもなく夫のことがいやになる妻。心理的にも深いものがあります。
大人の話です。


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天人女房

てんにんにょうぼう

鹿児島県の昔話

天女が、羽衣を奪われて、男の嫁になる、異類婚姻譚です。羽衣伝説として全国で広く伝わっています。たなばたの由来話でもあります。

天人女房の類話は、15世紀の御伽草子にもあるので、とても古くからの伝承なのですね。⇒「あめわかひこ」
そういえば、後半の天にのぼってからの難題婿のモティーフは、古事記にもあります。⇒「根の堅洲の国」。古事記のほうは、主人公は天ではなくて地下の世界へ行きます。

天に飛び去った妻を求めて旅に出る話とざっくり分類すると、世界中にあります。⇒「ガラスの山」など。

古今東西を問わず人気のおはなしなんですね。


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ねこまた

秋田県の昔話

熊本県に根子岳の伝説がありストーリーはほぼ同じです。(⇒こちら
今回紹介する「ねこまた」は、秋田県の伝承で、土地にまつわる伝説ではなくて、架空の場所の話、つまり昔話です。
話型名は「猫山」または「猫屋敷」といって、全国に伝わっています。

ねこは、昔から人間に慣れ親しんできた動物です。けれども、犬と違って、昔話の中では、ちょっと不気味な存在でもあります。
「ねことかぼちゃ」「ねこと茶釜のふた」「ねこの踊り」などのねこは、ほぼ妖怪ですね。


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竜神さまと花売り

りゅうじんさまとはなうり

鹿児島県の昔話

竜宮から贈り物をもらって来て、お金持ちになる話です。

話型名「竜宮童子」。そのなかでも、「竜神さまと花売り」は、「竜宮子犬」と呼ばれる話です。
もらってくるのは子犬です。
主人公は幸せになりますが、それをねたんだ金持ちの兄は、欲を出して失敗します。「とほう」こちら⇒とは、趣向は同じでも、ストーリーも結末もずいぶん異なりますね。


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