かねふき明神

かねふきみょうじん

広島の昔話

中国の「岩じいさん」を思い出させるおはなしです。日本にもあったんだと嬉しくて再話しました。
明神様の夢のお告げで、貧しい男の子が、狛犬から小判をもらいます。
昭和9年発行の資料です。会話文の語尾を少しだけ土地言葉にしました。「とーかっちり」は結末句です。結末句については、≪昔話雑学≫こちら⇒を見てくださいね。

テキストは、『語りの森昔話集5ももたろう』に掲載しています。こちら⇒書籍案内

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あまがえる

茨城の昔話

全国に残っている昔話です。朝鮮半島や中国にもあるそうです。
話型名は「雨蛙不孝」といいます。親不孝を戒めるおはなしですね。
子どもが親に口答えしたり、いうことを聞かないことが重なると、祖父母がこんな話をしたのかなあと想像します。じかに説教をするのではなく、物語で教えようとする文化を取りもどしたいです。
この話は蛙ですが、トンビやハトの場合もあります。また、親のいうことを聞かない男の子が、あまがえるに生まれ変わったという伝承もあります。


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きつねの田植え

きつねのたうえ

奈良の昔話

奈良県橿原市に伝わる伝説です。狐の伝承は、全国にたくさんあります。狐は神さまのお使いとも考えられて、田の神さまや稲荷と結びつけて語られます。狐がつくなどというのも、霊力があると考えられているからですね。いっぽう、狐に化かされる話は、世間話として広く伝わっています。
「きつねの田植え」は、どちらにも属さない、ちょっとほろっとする話です。
関西弁で語りたい人のために、関西弁のテキストと、共通語のテキストを両方載せておきました。


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こぶとりじいさん

大分の昔話

話型名は「瘤取り爺」。東北から九州にまで分布している、よく知られた昔話です。古くは『宇治拾遺物語』にも載せられています。『宇治拾遺物語』では、おじいさんが山の木の洞に入って雨宿りをしていると、鬼にでくわします。全国に伝わっている話もこのシチュエーションが多いようです。今回再話した大分県のこの話は、冒頭が、ねずみ浄土や地蔵浄土のような始まり方ですね。そして、出会うのは鬼ではなくて天狗です。天狗になっている類話は比較的多いようです。
ところで、この話は、世界的にも類話がたくさんあります。ATU503「小人の贈り物」です。《外国の昔話》にオーストリアの「こびとのおくりもの」を紹介しているので、くらべてみてくださいね。

共通語テキストは、『語りの森昔話集4おもちホイコラショ』に掲載しています。 ⇒書籍案内

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首の短い男の話

くびのみじかいおとこのはなし

北海道の昔話

アイヌの昔話です。アイヌの昔話は、本来は、アイヌ語で語られていて、独特の音楽性があります。ストーリーも壮大なものから、隣の爺型の話までさまざまです。
この「首の短い男の話」は、知里真志保さんが日本語で記述したものです。対句のようなくりかえしに音楽的な要素が見られますね。
アイヌの話の多くは、主人公の一人称で語られます。つまり、「わたしは、~」と、主人公が自分の体験として物語を語るのです。ですから、いつも視点は、主人公から見た視点です。子どもに語るときは、少し説明しておくといいでしょう。
この話、私たちの使い捨て文化を批判しているように感じませんか。アイヌの文化では、あらゆるものに神が宿りますが、首のもげたとっくりですら、神なのです。そういえば、本州でも、古い物を粗末にすると、化け物になって人間に悪さをする話があります。化け物寺の話です。また、つくも神も、ふるい道具などに宿る神ですね。
現代に通じるテーマだと思って再話しました。高学年に語ってみてください。


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