しにんのて
奈良の昔話
恐い話ですが、笑いや悲しみの要素も併せ持っています。この原話を見つけたとき、またひとつ宝石を見つけたと思いました。ぜひ語ってくださいね。
原話は國學院大學説話研究会編 『 奈良県吉野郡昔話集 』 に入っています。
共通語テキストは『語りの森昔話集1おんちょろちょろ』に掲載しています。こちら⇒書籍案内
恐い話ですが、笑いや悲しみの要素も併せ持っています。この原話を見つけたとき、またひとつ宝石を見つけたと思いました。ぜひ語ってくださいね。
原話は國學院大學説話研究会編 『 奈良県吉野郡昔話集 』 に入っています。
共通語テキストは『語りの森昔話集1おんちょろちょろ』に掲載しています。こちら⇒書籍案内
この原話 ( 『 出雲の昔話 』 所収)を見つけたのはおはなしを始めて間もないころです。出雲の土地言葉で語られていますが、きちんと注がついているので意味はよくわかります。でも、この土地言葉では、このまま覚えて語ることはできませんでした。それで、自分の言葉に直しました。どうしても子どもたちに語り伝えたかったのです。まだ、再話の 「 さ 」 の字も知らなかった頃のことです。
低学年から高学年まで、数えきれないほどの回数を語りました。 音声は、4年生。
ふだんの生活の中で、幼い子どもは、深い気持ちもなくアリや虫を殺します。そして、殺した命が二度と生き返らないことを、身をもって理解します。衝撃とともに。そんな経験はみなが持っています。だから、子どもは、さるのしたことを残酷だと一方的に非難はしません。むしろ、さるの立場で聞いている子どもは、自分の経験に照らし合わせてはっとします。そして、かにをだんごに丸めて返事させようとするさるの行為を、子どもは 「 我がままだ 」 とは考えません。さるの祈るような思いが分かるからです。共感です。だから、返事が返ってきたとき、子どもは救われたようなうれしそうな顔をします。そして、「 ものいうても返事するもんがおらなんだらあかんなあ 」 というテーマをすっと受けとめてくれます。
以前、6年生に語ったとき、あとでひとりの男の子が目を赤くして、こっそりいいに来てくれました。
「 昔話はいいなあ。死んでも生き返るから 」
この子は幼稚園のときから昔話を聞いてくれていた子でした。
ちなみに、ずっとあとになって、松谷みよ子さんの再話による絵本 『 さるのひとりごと 』 が出版されました。
共通語テキストは『語りの森昔話集2ねむりねっこ』に掲載しています。こちら⇒書籍案内
こんなおばあさんいてますよね。あ、私自身かも ( 笑 )。
お寺の和尚さんが素敵です。かつてお坊さんが檀家の人たちとどのように関わっていたのかが、ほのぼのと感じられる話です。
大人どうしで楽しむおはなし会のおまけにどうぞ。
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江戸時代の噺本からの再話。世の中には大きなものがいくらでもあるというこの話は、昔話としてあちこちに伝わっています。それを一休さんの話として噺本に取り入れてあるんですね。
かつてアニメの一休さんが人気だったので、一般的には小僧さんのイメージが強いです。が、噺本に残っている一休さんは、りっぱなお坊さんです。さきにアップした 「 一休さんのきつね話 」 も登場するのはりっぱな一休禅師です。
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