わにざめと医者坊主

わにざめといしゃぼうず

岩手県の昔話

渡し船は、川だけでなく湖や沼や港湾の、こちらの岸から向かいの岸にわたるための船です。
乗合船は、バスのように、知らない人たちがいっしょに乗ります。
船は、板一枚下は地獄ですから、乗り合いの人たちは、大げさに言えば運命共同体のようなものです。それがわにざめに魅入られて動かなくなったのですから、たいへんです。
持ち物を投げ入れてみいられた人を特定するというモティーフは、落語にもあります。

げんなさんとわにざめの歌の掛け合いについては、原話につぎのような注があります。
「げんな医者の歌を間を引いて流ちょうに歌った後、わにざめの罵言を早いテンポで、不器用に怨めしそうに歌うところにこの話のひょうきんな面白みがあるのである。」


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木仏金仏

きぶつかなぶつ

大分県の昔話

話型名「木仏と金仏」
信心深い男の木仏と金持ちのりっぱな金仏との業比べの話。

この木の仏さまと金の仏さま、「ねずみのすもう」の貧乏なじいさまのねずみと金持ちの家のねずみによく似ていますね。「ねずみのすもう」は幼い子に向きますが、「木仏金仏」は、幼い子にとっては、言葉が少し難しいのと、木仏を手に入れたいきさつが難しいです。中学年以上なら楽しめると思います。
類話はあまりないようですが、ほんわかしたいい話です。


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山の神と童子

やまのかみとどうじ

鹿児島県の昔話

天竺へお参りする途中、出会った人たちから、ついでにおがんできてくれと、それぞれ、課題を託されます。主人公の男の子は、快く引き受けて、旅の帰りに答えを教えてやります。
これは、日本だけでなく、世界じゅうにある話型です。
ATU460「神のところへの旅」

山の神さまは、女のこともあるし、男のこともあります。ここでは、白髪のおじいさんですね。そして、樫の木の精でもあります。素朴な自然信仰の名残です。


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炭焼きの子

すみやきのこ

鹿児島県の昔話

運命譚です。

王の後継ぎなるという運命の元に生まれ、王がそれを阻もうとさまざまな行動に出るのですが、けっきょくそれが裏目に出て、運命の定め通りになる。
これは、ヨーロッパの神話にもある古い話だということです。
グリム童話の「三本の金髪を持った悪魔」も同類の話ですね。
日本のこの「炭焼きの子」は、とてもおだやかに話が進みます。

3年生以上、高学年のおまけのはなしでもいいと思います。


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