くらいくらい

京都の昔話

入れ子細工の話です。いろいろなバージョンがあるようですが、わたしは、かつて所属していたおはなしサークルの今は亡き仲間から聞き伝えたものを語っています。「 くら~い くら~い 」 と語り始めるので、子どもたちは恐い話だとすぐに分かって乗ってきます。
音声は5歳児に語ったときのもの。入れ子の面積がせまくなるにつれて、笑いがクレッシェンドします。こわいことを期待して、はずされるので、笑うのです。緊張と緩和。からだを寄せ合って、いっしょに怖がって、いっしょに笑う。まさに、愛と信頼の語りの場です。この話を伝えてくださった仲間に心から感謝しています。
この話、一回やると、次回も、またその次の回も、リクエストされます。何回やっても同じように恐がって、同じようにびっくりして、同じように喜びます。ときには、道で出あっても、「 くら~い、くら~い、やって ! 」って言われます ( 笑 )。でもまあ、おまけの話です。
ジャンピング・ストーリーなので、急に大きな音や声が聞こえると心身に変調をきたす子が、いないかどうか、確かめてから語ってくださいね。

共通語テキストは『語りの森昔話集4おもちホイコラショ』に掲載しています。⇒書籍案内

日常語での語りを聞くことができます。

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