天狗のまな板石

てんぐのまないたいし

奈良の伝説

奈良県東吉野村に伝わる伝説です。
語ったおじいさんは、「 いまどき、天狗が出るやなんて、そんなことはあらへんけどな 」 といいながらも、実際にその石があることを証拠として、「 まんざら嘘でもないと思う 」 とおっしゃっています。
マックス・リュティは、昔話と伝説の違いを説明して、「 伝説は信じられんことを求める 」といっていますが、その一例だと思います。
ひょんなことから異界(彼岸)に行ってきた昔話はたくさんあります。カテゴリーで探してみてください。
ただ、伝説「 天狗のまな板石 」では、彼岸は、はるか遠くにあるのではなくて、ふだんから人が行ききする山、地域の生活の場がいきなり彼岸となるのです。天狗はすぐ裏の山に棲んでいます。これも伝説の特徴です。昔話なら、彼岸ははるか遠くにあります( 昔話の語法参照 )。
裏の山に天狗がすんでいるということを信じられなくなった現代の大人。寂しさを感じてしまいます。

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日常語での語りを聞くことができます。


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