へび婿入り

へびむこいり

新潟県の昔話

話型名「蛇聟入」
異類婚姻譚です。

この話の前半、娘のもとに美しい若者が通って来るんだけれど、いったいだれだか分からない。それで、若者の着物のすそに針を付けておく。その糸をたどって行くと(紹介した話では、糸ではなく血の跡をたどります)、正体は蛇だったというストーリーは、有名です。
かの奈良の三輪山の神さまの話と同じですね。

「蛇聟入」には、2パターンがあって、夜な夜な男が通ってくるパターンは、苧環型と呼ばれます。「おだまきがた」と読みます。
おだまきは、糸を巻いた物。おだまきから糸を繰りだして、機(はた)で布を織ります。

蛇は、三輪山伝説では神さまですが、昔話では、多くが異類としての蛇です。
日本の異類婚姻譚では、結末は別離で終わることが多く、この「へび婿入り」もそうです。
ヨーロッパの昔話では、異類は魔法にかけられた人間で、ラストはまほうがとけてハッピーエンドが多いですけれど。

また、苧環型の蛇婿入りは、五月五日や三月三日、九月九日といった節句の行事のいわれに結びつくことが多いようです。神さまであった痕跡なのでしょうか。


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