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海行こう、川行こう

うみいこう、かわいこう

新潟県の昔話

水辺に毎日ごみを捨てたので、沼の主に魅入られて竜になったというシチュエーション、現代的ですね。環境問題を彷彿させます。 

我が子のために自分の目玉を抜き取るというモチーフは、昔話ではほかにもありますが、心を強く揺さぶります。
目玉をぬりこめた鐘をつくと歌が聞こえます。

この鐘が滋賀県の三井寺まで転がって行ったという結末とあわせて、伝説的な雰囲気を漂わせています。


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弥三郎ばあさん

やさぶろうばあさん

新潟県の昔話

怖い話です。

ここに紹介したのは新潟県の伝説ですが、「千匹狼」という話型で昔話として全国に広がっています。そして、各地で、その土地の話として定着していったようです。
古いところでは、平安時代の武将源頼光の家臣渡辺の綱のエピソードとして有名です。京都の一条戻り橋に出る鬼を、綱がやっつける話です。

ところで、新潟のこの話では、弥三郎ばあさんの正体は鬼婆ですが、鬼婆ではなくて猫だったという話が多く残っています。ばけねこです。
おおかみのリーダーが猫、というのもふしぎです。

おおかみがはしごになって登って来るというエピソードは、ロシアやほかの国にもあります。

夏の怖い話のおはなし会に向けて、どうぞ。


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おしらさま

岩手県

かわいそうな話ですね。
初めて遠野で聞いたときは、衝撃を受けました。

おしらさまは、オシラ神のことで、養蚕の神さまです。
お祭りのときには、オシラ神の由来をとく祭文(さいもん)が語られます。オシラ祭文は、馬と娘の異類婚姻譚で、今回紹介した「おしらさま」にそっくりです。
おそらく祭文が先にできたと思いますが、正確なことは知りません。

養蚕の由来譚は、おしらさまと、もうひとつ系統があります。これは、継子いじめ譚です。⇒こちらを見てください。


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尻なりしゃもじ

しりなりしゃもじ

新潟県の昔話

話型名を「尻鳴り箆(べら)」といいます。

それでなでるとお尻が鳴りだすという珍しいへらをひろった男が出世する話。なんだかおかしな話です。

お尻が鳴る音は、「おっぽこ、こっぽこ、すってんねんじん」とか、歌うように調子よく語られたようです。

主人公は、ばくち打ち、なまけもの、ならず者、貧乏人がほとんどです。
しゃもじが福を招く呪物と考えられていたことが、この話の背景にあったのではないかということです。


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法事のごちそう

ほうじのごちそう

宮崎県の昔話

話型名は「いもころがし」といいます。

村の人たちが、法事やお祝いの席で、作法が分からなくて、庄屋や和尚のまねをするのですが、つぎつぎ失敗します。その連鎖がおもしろいです。

愚か村話(⇒こちら)や、愚か婿話として話されるそうです。
このモティーフは、落語にもあります。

愚かな人や行為を上から目線で笑っているのではなく、自分自身にもあるあると、楽しんでいます。


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