うみいこう、かわいこう
新潟県の昔話
水辺に毎日ごみを捨てたので、沼の主に魅入られて竜になったというシチュエーション、現代的ですね。環境問題を彷彿させます。
我が子のために自分の目玉を抜き取るというモチーフは、昔話ではほかにもありますが、心を強く揺さぶります。
目玉をぬりこめた鐘をつくと歌が聞こえます。
この鐘が滋賀県の三井寺まで転がって行ったという結末とあわせて、伝説的な雰囲気を漂わせています。
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やさぶろうばあさん
怖い話です。
ここに紹介したのは新潟県の伝説ですが、「千匹狼」という話型で昔話として全国に広がっています。そして、各地で、その土地の話として定着していったようです。
古いところでは、平安時代の武将源頼光の家臣渡辺の綱のエピソードとして有名です。京都の一条戻り橋に出る鬼を、綱がやっつける話です。
ところで、新潟のこの話では、弥三郎ばあさんの正体は鬼婆ですが、鬼婆ではなくて猫だったという話が多く残っています。ばけねこです。
おおかみのリーダーが猫、というのもふしぎです。
おおかみがはしごになって登って来るというエピソードは、ロシアやほかの国にもあります。
夏の怖い話のおはなし会に向けて、どうぞ。
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