「恐い話」カテゴリーアーカイブ

むみょうの橋

むみょうのはし

岡山県の昔話

怖い怖い話です。

これとよく似た話を、さまざまなバージョンで聞いたり読んだりしたことがあります。たとえば、「母親が、子どもをがけから突き落とす、次に生まれた子どもをドライブに連れて行くと、おしっこがしたいというので車から降りてがけの上に連れて行く、その子がふりむいて、今度はつき落とさないでねっていう」などなど。
現代の民話ですね。都市伝説ともいいます。
でも、「こんな晩」という話型名もちゃんとあるんですよ。

私は、都市伝説のほうを先に知っていて、それが昔から語られていた話の類話だと知ってびっくりしました。「こんな晩」も、さまざまなバージョンがあります。探してみてください。

国際話型では、ATU960「かがやくお日さまが、明るみにだす」。ギリシャ神話や新約聖書にもあるそうなので、見てみようと思っています。グリム童話にもあるので、次の機会に紹介しますね。

大人向きの怖い話として再話しました。


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日常語の語りが聞けます。



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月の夜ざらし

つきのよざらし

新潟県の昔話

美しいけれど、ぞっとするような恐ろしい話です。
日本の昔話での類話はあまりないようです。国際的な分類ではATU365「死んだ花婿が花嫁を連れ去る」に分類されるそうですが、同じぞっとする話でも、情緒がずいぶん異なりますね。
わけもなく夫のことがいやになる妻。心理的にも深いものがあります。
大人の話です。


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くもの化け物

くものばけもの

宮城県の昔話

化け物寺の話です。
日本じゅうに化け物寺があるのはどうしてでしょう。古くなった道具類が化けるとか、狸が化けるとか、小判が化けるとか、その正体は様々です。
そして、化け物の正体を見破ったり、退治して宝を手に入れたりそのお寺を復興したりしてハッピーエンドで終わります。

このような肝試しの話は外国にもあります。
グリム童話にもKHM4「こわがることを覚えに旅に出かけた男の話」があります。スペインのマヨルカ島の「この世の光」⇒こちらもそうですね。くらべてみると、面白いです。


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ぼっこ食いあねさま

ぼっこくいあねさま

岩手県の昔話

「ぼっこ」というのは、秋田県や岩手県で赤ん坊のことをいいます。

婿入りの資格試験の話を「難題聟」といいますが、ここでは、「ぼっこを食べる」という難題をパスした主人公が、長者の娘の婿になります。
肝試し的な要素がありますね。

赤ん坊を食べる娘のようすは、まるで怪談です。
聞き手を怖がらせて、ほっとして笑わせる話です。


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歌を歌うねこ

うたをうたうねこ

秋田県の昔話

怖い話ですねえ。
でも、この話は、もともと猫の怪異を語ろうとするものではなくて、猫がとても達者に芸をすることを楽しむ笑い話の要素が強かったそうです。
猫のやる芸は、歌だけではなくて、浄瑠璃(じょうるり)や芝居、踊りなどがあります。
猫は身近な動物なので、昔話にもよく出てきます。こわくて暗いイメージの話が多いのはなぜでしょうね。同じ身近な動物でも、犬と対照的です。

「怖い話をして」っていわれたときにどうぞ。幼い子には、ほんとうに怖がるからやめておきましょう。


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