「恐い話」カテゴリーアーカイブ

化け物と踊った話

ばけものとおどったはなし

青森県の昔話

日本には、物が古くなると化けるという俗信が古くからあります。付喪神(つくもがみ)と呼ばれています。
百鬼夜行の絵巻にも、道具の化け物が描かれています。
物は粗末にしないで、ちゃんと使い続けましょう。

話型名「宝化け物」青森県から鹿児島県まで全国に残っています。
岡山の「サイデン、サイデン、小僧、小僧」も同じ話型です。

国際的には、ATU236A「苦痛から解放された魂」
埋もれた宝が発見者を求めて化けるのです。タンス貯金はだめですね(笑)
バレアス諸島の「この世の光」もこの話型ですが、「化け物と踊った話」とはずいぶん雰囲気が異なります。


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おぼさりたい、だかさりたい

青森県の昔話

話型名は「とっつくひっつく」。
財宝発見の昔話です。

三人兄弟が化け物退治に行きますが、上の二人は失敗し末っ子が成功するというお決まりのパターンです。お決まりですが、怖い話なので、子どもは飽きずに喜びます。
暗闇の中の光物の化け物と、帰り着いてからの座敷いっぱいの宝物の極端な対比が鮮やかです。

この話型は、働き者のじいさんと怠け者のじいさんの二人の爺型で語られる話もたくさんあります。


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やまんばあと馬子どん

やまんばあとまごどん

岡山県の昔話

話型名「牛方山姥」「馬方山姥」

牛も馬も、農耕や運搬に重要な役割を果たす家畜でした。生活を共にし、世話をしました。
商品のぶりだけでなく、そんな大切な馬を、やまんばあは食ってしまったのです。馬子どんが復讐するのも無理はありません。

ストーリーは、前半が逃竄譚(⇒《昔話雑学》)で、怖い山姥。ハラハラドキドキさせてくれます。
後半は、一転してこっけいな山姥。馬子に簡単に手玉に取られます。
山姥の二面的性格が面白いです。
こういう笑い話化は、聞き手の要求に応えるものではないかと言われています。


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ねこまた

秋田県の昔話

熊本県に根子岳の伝説がありストーリーはほぼ同じです。(⇒こちら
今回紹介する「ねこまた」は、秋田県の伝承で、土地にまつわる伝説ではなくて、架空の場所の話、つまり昔話です。
話型名は「猫山」または「猫屋敷」といって、全国に伝わっています。

ねこは、昔から人間に慣れ親しんできた動物です。けれども、犬と違って、昔話の中では、ちょっと不気味な存在でもあります。
「ねことかぼちゃ」「ねこと茶釜のふた」「ねこの踊り」などのねこは、ほぼ妖怪ですね。


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へびと鍛冶屋

へびとかじや

新潟県の伝説

新潟県の糸魚川に残っている伝説です。

もとの題名は「浪平行安」といいます。
へびが打った九百九十九本目の刀に、「浪平行安」という銘が入っていたからです。

時代や人物の名前が明らかではないので、昔話として再話しました。その際に、銘の部分は省きました。あまりにリアルで語るには怖いと思ったからです。けれども、最後に次の一文を加えて語ってもいいと思います。

「最後の九百九十九本目の刀には、「浪平行安」と名前が彫ってありましたとさ。」


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