つきのよざらし
新潟県の昔話
美しいけれど、ぞっとするような恐ろしい話です。
日本の昔話での類話はあまりないようです。国際的な分類ではATU365「死んだ花婿が花嫁を連れ去る」に分類されるそうですが、同じぞっとする話でも、情緒がずいぶん異なりますね。
わけもなく夫のことがいやになる妻。心理的にも深いものがあります。
大人の話です。
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てんにんにょうぼう
天女が、羽衣を奪われて、男の嫁になる、異類婚姻譚です。羽衣伝説として全国で広く伝わっています。たなばたの由来話でもあります。
天人女房の類話は、15世紀の御伽草子にもあるので、とても古くからの伝承なのですね。⇒「あめわかひこ」。
そういえば、後半の天にのぼってからの難題婿のモティーフは、古事記にもあります。⇒「根の堅洲の国」。古事記のほうは、主人公は天ではなくて地下の世界へ行きます。
天に飛び去った妻を求めて旅に出る話とざっくり分類すると、世界中にあります。⇒「ガラスの山」など。
古今東西を問わず人気のおはなしなんですね。
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ねこのいえ
熊本県の伝説
根子岳(ねこだけ)というのは、熊本県にある標高1433mの山で、阿蘇五岳(あそごがく)のひとつです。
肥後国(ひごのくに=現熊本県)のねこは、七歳になると、根子岳に修行に行くといわれていました。その修行の場がねこの家です。
人間にとっては恐ろしい家ですね。迷い込みたくないです。
根子岳にはもうひとつ伝説があります。それは、根子岳は阿蘇五岳のうちの末っ子で、背が高くなるために、鬼と契約したというものです。
鬼が阿蘇の国を自由にあばれまわれるかわりに、自分の頭に竹田の土を積ませたのです。
それを知った阿蘇大明神が怒って、根子岳の頭をぴしゃぴしゃたたきました。それで、根子岳の山容はギザギザなのだそうです。
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