「冒険譚」カテゴリーアーカイブ

オオナムチとスクナヒコの国作りの旅

おおなむちとすくなひこのくにづくりのたび

オオナムチは、大国主命(おおくにぬしのみこと)の別名です。大国主命には、たくさんの別名があります。
スクナヒコは、オオナムチといっしょに国作りをした神さまです。体が小さく、少年のような明るさといたずらっぽさが魅力的です。
けれども、まじめなオオナムチが「国作りはうまくいったかなあ」と自信なさげに尋ねたときの、スクナヒコの答えはとても含蓄があります。

この再話は、古事記、日本書紀、風土記のなかから、スクナヒコが登場する場面だけを取りだしてならべています。


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小指太郎と宝ぐつ

こゆびたろうとたからぐつ

鹿児島県の昔話

主人公は小指太郎ですが、体が小さい子どもという意味ではありません。
五人兄弟の末っ子で、上から順に、親指太郎、人指し指太郎、・・・と名前が付けられているのです。
体が小さいわけではありませんが、末っ子という意味では端っこの存在です。
昔話では、端っこの存在が、主人公となって活躍することが多いです。

前半は、グリム童話の「ヘンゼルとグレーテル」にそっくりです。鬼の家に着いてからのナイトキャップの取り換えもヨーロッパの昔話によくあるモティーフです。
けれども、後半の宝ぐつを盗むモティーフや、宝物を家に持って帰るあたりは、とても日本的です。

元気いっぱいの小指太郎の行動を楽しみたいです。


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三人の兄弟

さんにんのきょうだい

宮城県の昔話

話型名「三人兄弟」。兄弟の優劣、争い、協力を主題とした昔話。
そのうちでも、ここで紹介した「三人の兄弟」は、「三人兄弟・盗人型」といわれるもので、全国に分布しているそうです。

ぶっかけお椀やしゃもじなどの呪物の力で出世するところや、たまたまそれぞれの手に入れた職業・地位が、約束の期日に三人を逢わせるという状況の一致が、ファンタジーとしての面白さを創り出しています。

類話は世界じゅうにあります。
ちなみに、グリム童話では、KHM124「三人兄弟」、KHM129「腕利き四人兄弟」があります。比較してみてくださいね。


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毘沙門さまの授かり子

びしゃもんさまのさずかりご

宮崎県の昔話

話型名「一寸法師」
ATU700「親指太郎」

指ほどの大きさの男の子が冒険に出る話。どうして世界じゅうに、こんなに有名な話として伝わっているのでしょう。
昔話の主人公は、末っ子だったり、食べる物がないほど貧しくて捨てられたりして、極端な存在であることがよくあるのですが、3センチほどの大きさというのは、極端すぎますね。
日本では、たにしやかたつむりとして生まれる話もあります。
ファンタジーの楽しさが満開といえば、それまでですが(笑)

類話の「五分次郎」こちら⇒も見てくださいね。こちらの解説もあわせて見ていただくと、興味深いと思います。

毘沙門天は、軍神。戦いの神さまです。
その授かり子だから、鬼もやっつけるくらいに強いのです。


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寅千代丸

とらちよまる

鹿児島の昔話

鹿児島県の沖永良部島で伝承されていた昔話。
もとの語り手がつけた題は「神様の申し子」です。
赤い花が咲けば男の子、白い花が咲けば女の子が生まれるという予言や、駿馬に乗り、七人力の刀をたずさえて彼岸に出かけて行くというモティーフなど、ヨーロッパ的な雰囲気がありますね。まるで竜退治のようです。
この話型の話は、南西諸島の限られた地域にだけ残っているそうです。
日本の話では、アイヌの話と南の島の話が他と違うスケールを持ったものが多いです。
名前など、言葉が耳慣れませんが、内容的には4年生くらいから聞けると思います。いじめにあった寅千代丸がどのように生きて幸せになるか、勇気づけることができればと思います。

 


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