「恐い話」カテゴリーアーカイブ

めしを食わないよめさん

めしをくわないよめさん

山形の昔話

端午の節句にちなんで載せました。飯を食わない嫁がほしいなんて、なんてことでしょうと、子どものころ、わたし、気を悪くしていました。追いかけられて当然、ばちがあたったんだって思っていましたよ。
この類話は全国に分布しています。
結末が、よもぎと菖蒲のおかげで難を逃れるものと、夜の蜘蛛は殺さないといけないという俗信の根拠になっているものとがあります。後者は、女の正体が蜘蛛で、夜に女が蜘蛛になって侵入してきたのをやっつける話です。
女の正体は、山姥や鬼であることも多いです。ここで思い出していただきたいのは、山姥は走る、ということです。この話でもブーンブーンと追いかけてきますね。
追いかける・逃げるというモティーフを持った話を逃竄譚(とうざんたん)と呼びます。うーん、つづきは昔話雑学でどうぞ!

共通語テキストは『語りの森昔話集1おんちょろちょろ』に掲載しています。こちら⇒書籍案内

日常語での語りが聞けます

⇒ 本格昔話一覧へ

やまんばと桶屋

やまんばとおけや

岩手県の昔話

山の奥には魑魅魍魎が棲んでいます。ときどき、里山に下りてきて、そこで働く人間と遭遇します。このやまんばもそうです。「 さとり 」 の化け物として語られている地方もあります。
これも 「 おんちょろちょろあなのぞき 」 と同じく、偶然によって助けられる話です。でも、雰囲気はまるで異なりますね。

共通語テキストは『語りの森昔話集1おんちょろちょろ』に掲載しています。こちら⇒書籍案内

日常語での語りを聞くことができます。

⇒ 本格昔話一覧へ

死人の手

しにんのて

奈良の昔話

恐い話ですが、笑いや悲しみの要素も併せ持っています。この原話を見つけたとき、またひとつ宝石を見つけたと思いました。ぜひ語ってくださいね。
原話は國學院大學説話研究会編 『 奈良県吉野郡昔話集 』 に入っています。

共通語テキストは『語りの森昔話集1おんちょろちょろ』に掲載しています。こちら⇒書籍案内

日常語の語りが聞けます。

⇒ おかしな話一覧へ

おかめが池の人魚

おかめがいけのにんぎょ

奈良の昔話

赤ん坊を抱いてくれといわれて、抱いてやると、女は立ち去り、赤ん坊は石になるという話。こわいですね。私が知っていたのは、雪女の話。でも、ここでは雪女ではなくて人魚なんですね。夏の怪談話に、子どもたちにどうぞ~
 奈良県曽爾村の御亀ヶ池に伝わる伝説だと原話にあります。今はそこに、美人になる温泉 「 お亀の湯 」 があります。


下のボタンから共通語テキストをダウンロードできます。

日常語での語りを聞くことができます。

⇒ 本格昔話一覧へ

こんな目かあ

こんなめかあ

奈良の昔話

これもどこにでもあるこわくて面白い話。「 こんな顔 」 という話型です。ちょっとオーバーにやると楽しいですよ。
いまは、炭焼きという仕事もほとんどなくなってしまいましたが、かつては、山の仕事で生計をたてる人たちがいました。自然が日常的にそばにあった時代、自然の中で暮らしていた時代には、人間の知では理解できない現象が起こったようです。魑魅魍魎ーちみもうりょ う。奈良は山国ですから、山での怪談が結構残っています。


下のボタンから共通語テキストをダウンロードできます。

日常語での語りを聞くことができます。

⇒ おかしな話一覧へ