「笑い話」カテゴリーアーカイブ

ぐつのお使い

ぐつのおつかい

長野県の昔話

話型名は「法事の使い」といいます。愚か話のひとつです。
登場人物は、兄と弟だったり、親と子どもだったり、和尚と小僧だったりして、全国に残っている話です。

天真らんまんな主人公「ぐつ」の失敗に、大人(兄、和尚)がふりまわされるのが痛快です。そして、ふりまわされても、困ってはいるけれど、本気で憎むことがないのも、ほっとします。

法事、和尚の衣、甘酒、甕、風呂をわかすなどの環境は、現代の子どもにはなじみのないものです。だから、幼い子どもには理解できないのが残念です。ちょっと説明すればわかる程度の3,4年生以上の子どもたちにどうぞ。


下のボタンからテキストをダウンロードできます。

日常語の語りが聞けます



⇒おかしな話一覧へ

ちゃくりかきふ

京都の昔話

落語絵本に『ちゃっくりがきぃふ』(桂文我/梶山俊夫絵/福音館書店)があります。
若いころ、落語で聞いていて、売り声が歌になるのがおもしろいなあと思っていたんですが、絵本で読んでも子どもたちとってもよろこびます。それが昔話として語られていた資料を見つけました。
思い切りはじけて楽しむおはなしですね。


下のボタンからテキストをダウンロードできます。

日常語の語りが聞けます。



⇒おかしな話一覧へ

俵薬師の目の願

たわらやくしのめのがん

島根県の昔話

話型名は「俵薬師」といいます。

とってもずるがしこい男が主人公です。
他人をだますのは当たりまえ、殺人もいといません。そして幸せになるのです。
こんな話、倫理的にどうなの?と思われるかもしれませんが、類話は日本じゅうにあります。
いえ、世界じゅうにひろがっているのです。
詐欺に気をつけろっていう話なんでしょうかねえ。
いやいや、人間の中にはそんな部分が隠れていて、隠された暗い部分を語りの中で表に出して笑い飛ばそうってことではないかと思います。
昔話の包容力を感じるところです。リュティさんは、「昔話というガラス玉の中に世界が映っている」といいます。


下のボタンからテキストをダウンロードできます。

日常語の語りが聞けます。




⇒おかしな話一覧へ

空にのぼったおけやさん

そらにのぼったおけやさん

新潟県の昔話

話型名は「源五郎の天昇り」
何らかの偶然で天にのぼって、幸運を手に入れる話を誇張して語った笑い話です。
スケールの大きい楽しい話です。

おなじ話型で「かみなりさまとかさやさん」を再話していますので、そちらも参考にしてください。⇒こちら
どちらも、ストーリーは幼い子にもわかるのですが、「おけのたが」をイメージしづらいので、小学生以上がいいかとおもいます。ちょっと説明してから語り始めるといいでしょう。


下のボタンからテキストをダウンロードできます。

日常語の語りが聞けます。


⇒おかしな話一覧へ

隠れみの

かくれみの

熊本県の昔話

話型名「宝物交換(たからものこうかん)」
笑い話です。
知恵の働きがテーマで、主人公は彦市です。彦市が天狗をだまして隠れみのを手に入れるやりとりのおもしろさ、灰になった隠れみのを体に塗ってからばれるまでのおもしろさが、秀逸です。
ここでは、隠れみのと交換しますが、鼻が高くなる扇と交換する類話もあります。
全国あちこちで伝えられているようです。


下のボタンからテキストをダウンロードできます。

日常語の語りが聞けます。



⇒おかしな話一覧へ