「笑い話」カテゴリーアーカイブ

俵薬師の目の願

たわらやくしのめのがん

島根県の昔話

話型名は「俵薬師」といいます。

とってもずるがしこい男が主人公です。
他人をだますのは当たりまえ、殺人もいといません。そして幸せになるのです。
こんな話、倫理的にどうなの?と思われるかもしれませんが、類話は日本じゅうにあります。
いえ、世界じゅうにひろがっているのです。
詐欺に気をつけろっていう話なんでしょうかねえ。
いやいや、人間の中にはそんな部分が隠れていて、隠された暗い部分を語りの中で表に出して笑い飛ばそうってことではないかと思います。
昔話の包容力を感じるところです。リュティさんは、「昔話というガラス玉の中に世界が映っている」といいます。


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空にのぼったおけやさん

そらにのぼったおけやさん

新潟県の昔話

話型名は「源五郎の天昇り」
何らかの偶然で天にのぼって、幸運を手に入れる話を誇張して語った笑い話です。
スケールの大きい楽しい話です。

おなじ話型で「かみなりさまとかさやさん」を再話していますので、そちらも参考にしてください。⇒こちら
どちらも、ストーリーは幼い子にもわかるのですが、「おけのたが」をイメージしづらいので、小学生以上がいいかとおもいます。ちょっと説明してから語り始めるといいでしょう。


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隠れみの

かくれみの

熊本県の昔話

話型名「宝物交換(たからものこうかん)」
笑い話です。
知恵の働きがテーマで、主人公は彦市です。彦市が天狗をだまして隠れみのを手に入れるやりとりのおもしろさ、灰になった隠れみのを体に塗ってからばれるまでのおもしろさが、秀逸です。
ここでは、隠れみのと交換しますが、鼻が高くなる扇と交換する類話もあります。
全国あちこちで伝えられているようです。


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かみなりさまとかさやさん

富山県の昔話

話型名は「源五郎の天昇り」といって、何らかの偶然で天にのぼって、幸運を手に入れる話を誇張して語った笑い話です。

その何らかの偶然というのは、たとえば、なすの苗を植えたらどんどん育って天まで届いてしまったとか、桶屋が桶を作っているとき、たがにはじかれて天にのぼったとか。「かみなりさまとかさやさん」は、傘が風に吹かれて、いっしょに天まで飛んで行きます。

結末は、夢だったとか、桑畑に落ちたとか、竜宮まで落ちて歓待されたけど釣り人に釣り上げられたとか、琵琶湖に落ちて源五郎ブナになったとか、さまざまです。

幼い子に語れるものを再話してみました。


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尻なりしゃもじ

しりなりしゃもじ

新潟県の昔話

話型名を「尻鳴り箆(べら)」といいます。

それでなでるとお尻が鳴りだすという珍しいへらをひろった男が出世する話。なんだかおかしな話です。

お尻が鳴る音は、「おっぽこ、こっぽこ、すってんねんじん」とか、歌うように調子よく語られたようです。

主人公は、ばくち打ち、なまけもの、ならず者、貧乏人がほとんどです。
しゃもじが福を招く呪物と考えられていたことが、この話の背景にあったのではないかということです。


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