「笑い話」カテゴリーアーカイブ

山伏とたぬき

やまぶしとたぬき

長崎県の昔話

近年まで、ふだんの生活の中できつねやたぬきに化かされた話が、まことしやかに語られていました。
自然の中で、人間の知恵では解明できない何事かが起こると、それを超自然の存在のせいにして納得したのでしょう。
たぬきやきつねは、家畜ではなく野生動物ですが、かつては身近にいた者たちです。
わたしも、山のふもとで、まさかと思うような迷子になったことがありますが、あれはきっと狐に化かされたにちがいないと、今でも思っています。

テキストは、『語りの森昔話集5ももたろう』に掲載しています。こちら⇒書籍案内

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息子とかみなりさま

むすことかみなりさま

岩手県の昔話

笑い話です。
話型名は「源五郎の天昇り」。
主人公はなすびの大木を登って天に着きますが、なすびではなくて、まめ、そば、桃などの大木を登っていく話もあるそうです。
木登り以外にも、桶屋がたがにはじかれたり、傘屋が傘につかまって風に飛ばされたりして、天に行きます。

大木を登ってが天まで行くというモティーフは、「ジャックと豆の木」「天までとどいた木」こちら⇒など、世界じゅうにありますね。

ここでは天から落ちて、桑の木に引っ掛かりますが、他の話では、海に落ちて竜宮に行ったり、琵琶湖に落ちて源五郎ブナになったり、五重塔に引っかかったりと、さまざまな形に展開しています。

空間を越えて物語が展開する壮大さと、雷が鳴ると桑の枝を軒端にさすという身近な風俗の由来の組み合わせがおもしろいです。

七夕まつりのおはなしでもあります。
たなばたのおはなし会でどうぞ。


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日常語の語りが聞けます。

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一把のわら

青森県の昔話

いちわのわら

難題聟譚のひとつですが、笑い話です。
知恵の働きによって、養子(または婿)になる。
全国に分布していて、と話型名は「一把の藁十六把」とか「藁十六把」「しめて十五把」とか呼ばれるそうです。
庭と鍬とばあさんのしわと門の一把で、十六把。門口の一把を入れないで、十五把。しわを入れないで十二把。というバージョンがあるそうな。

おまけのおはなしにどうぞ。何年生でもいけます。


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日常語での語りが聞けます。

ぶんぶくちゃがま

長野県の昔話

茶釜で湯を沸かしたら、茶釜からたぬきが頭を出し、足を出し、しっぽを出して、逃げて行った。子どもの頃聞いた話のその部分だけが強く残っていました。印章的な昔話です。

話型名「文福茶釜」
狐や狸が茶釜に化けて人間に恩返しをしたり富をくれたりする話です。全国に分布しているそうです。
2つの型があります。

1,狐が、茶釜、女、馬に化ける。3回化けるのです。この型では、冒頭で、狐が子どもにいじめられているのをおじいさんが助けます。その恩返しに、きつねが化けてお金をもたらします。
最後は馬に化けるのですが、馬は疲れて倒れます。おじいさんは、馬のためにお堂を立ててまつります。

2,狸が、1回だけ、茶釜に化けます。今回紹介した話はこの型です。
そんな茶釜がお寺の宝になったという伝説が各地にあるそうです。が、狸になって逃げて行ったんなら、茶釜はお寺にないはすですね、、、

1は、笑いの中にもしみじみと涙をそそりますが、2は、笑い話です。年齢を問わず笑ってくれると思います。

テキストは『語りの森昔話集6プレッツェモリーナ』に掲載しています。⇒書籍案内

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あわせもちとわた入れもち

あわせもちとわたいれもち

青森県の昔話

ほんの短い笑い話です。
おじいさんとおばあさんのおもち争奪戦(笑)。このテーマの話は、色んなバージョンで全国にあります。「だんまりくらべ」(こちら⇒)もそうですね。

子どもに、「もうひとつ」とせがまれたときのおまけの話にどうぞ。
「あわせ」「綿入れ」は、着物のことですが、子どもによっては何のことかわからないと思います。でも、正確にはわからなくても、なんとなくわかればOKです。
笑い話なので、おじいさんとおばあさんが大きな口を開けて食べている光景が見えればOKです。

出典の『津軽むがしこ集』について、井戸端会議に書きましたので、ぜひ読んでみてくださいね。この話の背景が分かります。 こちら⇒

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