「笑い話」カテゴリーアーカイブ

床をとれ

とこをとれ

岡山の昔話

日本の愚か村話です。「床をとれ」と「手水を回す」のふたつの笑い話が合体しています。この話群は、短くて、次つぎ連鎖することがあるようです。解説は、昔話雑学→こちらを見てください。
この話は、落語にもあります。大人は笑えるのですが、現在の子どもたちには、「床」「手水」の意味がすぐに分からないので、言葉のしゃれで成立するこの話は、笑えないかもしれません。高学年以上の子どもに試してみてください。


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仁王さまの夜遊び

におうさまのよあそび

長野の昔話

立石寺は、長野県飯田市にある古刹で、九世紀の建立といわれています。そこの仁王像の話ですが、これは、この土地、このお寺にまつわる話なので、昔話ではなく伝説です。人のすむ里から離れた古いお寺の仁王さまが、村に出てくる話ですが、通い婚の風習もまだ人々の記憶にある時代の笑い話ではないかと思われます。
大人向けのおはなし。


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あちちぷうぷう

福島の昔話

和尚と小僧譚のひとつで、話型名は「小僧改名(こぞうかいめい)」といいます。けちん坊の和尚さんが、おいしいものをいつもひとりで食べるので、小僧が一計を案じる話です。
小僧はひとりではなく三人のパターンが一般的なようです。ここでは、幼い子向けにと考えたので、和尚と小僧が一対一でやりあうものを原話にしました。
餅だけでなく、お酒もいただくという話もあります。
「小僧改名」は、「鮎はかみそり」「馬の落とし物」「焼餅和尚」などの話型といっしょになって、連鎖譚として語られている場合もあります。連鎖譚については、《昔話雑学》で確認してください。

共通語テキストは、出典『語りの森昔話集4おもちホイコラショ』に掲載しています。 ⇒書籍案内

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彼岸花のふとん

ひがんばなのふとん

福島の昔話

きつねにだまされた話です。山で道に迷うと、狐に化かされたんだといい、馬のふんを食わされたとか、野つぼを風呂だと思って、気持ちよく入ったとかいって、笑い合います。そんな時代がついこの間まであったのですね。
 科学の発達した現代では、本気にする人はいないでしょう。けれども、現代でも、きつねは、神の使いとして信仰されています。お正月には、稲荷大社にお参りする人が、全国から集まって来ます。妖怪としてのきつねは、神さまのなれの果てと考えられています。
福島県のこの話は、娘きつねにだまされて泊まった所が、彼岸花の草原でした。視覚的に美しいですね。
余談ですが、彼岸花には、「まんじゅしゃげ」などの別名があって、地方によって呼び名が変わります。あなたの地方では、何と呼びますか?「きつね」が含まれる呼び名もありますよ。「きつねのちょうちん」「きつねのかんざし」「きつねのはなび」「きつねのたいまつ」「きつねのろうそく」「きつねのたばこ」など。
彼岸花について知りたい人には、絵本『ヒガンバナのひみつ』(かこさとし作/小峰書店)、『ひがんばな』(甲斐信枝作/福音館書店)がおすすめです。読み聞かせにも使えます。


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地獄めぐり

じごくめぐり

徳島の昔話

話型名は「閻魔(えんま)の失敗」といって、日本全国に伝えられています。笑い話で、『日本昔話通観』では、その「誇張」に分類されています。笑い話は短いものが多いのですが、「閻魔の失敗」譚は、長いですね。旅の職業人によって、改作されながら伝えられたのではないかといわれています。
徳島県のこの話では、お医者と、山伏と鍛冶屋が地獄送りになりますが、ほかに、歯医者、軽業師が出てくる話もあります。
地獄に送られた三人は、それぞれ自分の特技を生かして、切りぬけます。剣の山では、鍛冶屋が金(かね)のわらじを作って剣をこわします。熱湯の釜では山伏が水の印を結んで水に変えます。鬼の口の中では、医者が薬をまきます。条件の一致がそのまま笑いになっています。
落語の世界でも江戸時代から話されていたとのことです。いまは、関西では、『地獄八景亡者戯(じごくばっけいもうじゃのたわむれ)』という演目で、一時間以上かかる大ネタです。この落語をもとに作られた絵本『じごくのそうべえ』(田島征彦作/童心社刊)は、子どもたちに人気です。


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