「笑い話」カテゴリーアーカイブ

ありはありったけ

香川県の昔話

動物たちが道で見つけたものやつかまえた獲物を分配する話は、あちこちに残っています。たいていは、このような言葉のシャレを楽しむ話です。

お金の単位が文(もん)なので、幼児には向きません。ちょっと残念。
小学生以上でも、「昔は、お金を、いちもん、にもんって数えたのよ。そのころのおはなしです。」とひとこと説明してから話すといいでしょう。

このようなレパートリーを持っておくと、お話をもうひとつとせがまれたときに便利ですし、雰囲気がとても和やかになります。


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きつねとくま

岡山県の昔話

ずるいきつねが、人のいいくまをだまします。

一緒に畑を作って地面の上のものヲもらう者と下のものをもらう者を先に決めておく、というこの話は世界中にあります。話型名は「ずるい相棒」といいます。
きつねがくまを蜂の巣につれていく話は、話型名「熊とハチミツ」。これも世界中にあります。

ずるいきつねですが、いつもうまくいくとは限りません。
くまが、仕返しをします。これも、世界中にあります。話型名「きつねが馬のしっぽにぶらさがる」。

きつねの向こうの山まで飛ばされるところ、子どもは大笑いするでしょう。


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からすとたにし

山口県の昔話

イソップの「からすときつね」と同じ話です。
イソップ寓話が日本に入ってきたのか、もともと日本にあったのか、分かりません。けれども、日本の昔話として定着していることを思うと、だれも発想は同じだなと思います。

からすも、たにしも、農村では日常的に見られるおなじみさんです。
それを材料にしてこんなファンタジーを想像するのは楽しいです。

春ののどかな日にのんびり語ってください。


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化け物と踊った話

ばけものとおどったはなし

青森県の昔話

日本には、物が古くなると化けるという俗信が古くからあります。付喪神(つくもがみ)と呼ばれています。
百鬼夜行の絵巻にも、道具の化け物が描かれています。
物は粗末にしないで、ちゃんと使い続けましょう。

話型名「宝化け物」青森県から鹿児島県まで全国に残っています。
岡山の「サイデン、サイデン、小僧、小僧」も同じ話型です。

国際的には、ATU236A「苦痛から解放された魂」
埋もれた宝が発見者を求めて化けるのです。タンス貯金はだめですね(笑)
バレアス諸島の「この世の光」もこの話型ですが、「化け物と踊った話」とはずいぶん雰囲気が異なります。

共通語テキストは『語りの森昔話集6プレッツェモリーナ』に掲載しています。⇒こちら

語りを聞けます。


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大きいねこと小さいねこ

おおきいねことちいさいねこ

福岡県の昔話

これはもうねこの話ではありませんね、人間の世界の話です。動物の話が人間の世界を風刺している寓話です。
子どもたち、だから気を付けるんだよ。世の中ってそんなもんだよ、と教える話ですね。

こんなふうに、人間の裏の面も教えることって、大事だと思います。


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