天人女房

てんにんにょうぼう

鹿児島県の昔話

天女が、羽衣を奪われて、男の嫁になる、異類婚姻譚です。羽衣伝説として全国で広く伝わっています。たなばたの由来話でもあります。

天人女房の類話は、15世紀の御伽草子にもあるので、とても古くからの伝承なのですね。⇒「あめわかひこ」
そういえば、後半の天にのぼってからの難題婿のモティーフは、古事記にもあります。⇒「根の堅洲の国」。古事記のほうは、主人公は天ではなくて地下の世界へ行きます。

天に飛び去った妻を求めて旅に出る話とざっくり分類すると、世界中にあります。⇒「ガラスの山」など。

古今東西を問わず人気のおはなしなんですね。


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お酒の泉

おさけのいずみ

鹿児島県の昔話

親孝行の息子が、父親のためにいつも酒を買ってくる、あるとき、泉の水がお酒に変わっていたという孝子伝説があります。
岐阜県の養老の滝の伝説が有名ですね。

親孝行とは別に、貧しい者が酒の湧き出る泉などを発見して幸せになるというモティーフは、庶民に人気があったようです。
「炭焼長者」「産土問答」「芋掘り長者」などに出てきますが、これがお酒ではなくてお金だったというバージョンもあります。


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なかなかブンブン

岩手県の昔話

課題を解いて求婚をする、「難題婿」の話です。

普通、難題は三つですが、この話では四つ出てきます。
この四つの難題は、それぞれ、昔話ではよくあるおなじみのモティーフで、ハチが援助してくれる話はヨーロッパの昔話にもあります。


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からすとたにし

山口県の昔話

イソップの「からすときつね」と同じ話です。
イソップ寓話が日本に入ってきたのか、もともと日本にあったのか、分かりません。けれども、日本の昔話として定着していることを思うと、だれも発想は同じだなと思います。

からすも、たにしも、農村では日常的に見られるおなじみさんです。
それを材料にしてこんなファンタジーを想像するのは楽しいです。

春ののどかな日にのんびり語ってください。


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かっこう

長野県の昔話

悲しい話です。
でも、あまり深刻にならずに語るのがいいです。

親孝行をしなさいよということを直接的に説教するのではなくて、物語に託しているのですね。昔話のひとつの役割といえるでしょう。

小鳥前生譚(ことりぜんしょうたん)といって、鳥の鳴き声や色などの由来を語る話が日本じゅうにたくさん残っています。


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