鹿児島県の昔話
原題は「親に逆らわぬ子」ですが、この主人公は、ただ親のいうなりになって主体性を持たないおとなしい子ではありません。親の提案を自分の課題ととらえて解決していきます。
不思議なおきあがりこぼしと出会うのは、もう縁としか言いようがありません。
深く考えずにでも前向きに楽天的に歩いて行ったら道は開けるんだなあと、聞いた後、ホッとした気持ちになります。これもまた人生の一面ですね。
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くすり
継子話が世界じゅうにあるのは、どうしてなのでしょう。
実際の継子継母を語っていると考えても、また実の親子関係を継子話に託して語っていると考えても、親子の心理的葛藤の中で癒されるべきものがあるからではないかと思います。
さて、「薬」は、「姑の毒殺」という話型に属します。
愚人譚のなかの愚か嫁の話群のなかの「姑の毒殺」。笑い話です。
嫁が姑を殺そうとする話。
それを継子話にしてあるのが、この「薬」です。
この話型は、人の愚かしさを笑ういっぽうで、処世術というか、教訓性がとても強いので、昔話というより、世間話のようです。
全国にけっこう濃厚に伝えられているようです。
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さんにんのきょうだい
話型名「三人兄弟」。兄弟の優劣、争い、協力を主題とした昔話。
そのうちでも、ここで紹介した「三人の兄弟」は、「三人兄弟・盗人型」といわれるもので、全国に分布しているそうです。
ぶっかけお椀やしゃもじなどの呪物の力で出世するところや、たまたまそれぞれの手に入れた職業・地位が、約束の期日に三人を逢わせるという状況の一致が、ファンタジーとしての面白さを創り出しています。
類話は世界じゅうにあります。
ちなみに、グリム童話では、KHM124「三人兄弟」、KHM129「腕利き四人兄弟」があります。比較してみてくださいね。
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