「恐い話」カテゴリーアーカイブ

やまんばあと馬子どん

やまんばあとまごどん

岡山県の昔話

話型名「牛方山姥」「馬方山姥」

牛も馬も、農耕や運搬に重要な役割を果たす家畜でした。生活を共にし、世話をしました。
商品のぶりだけでなく、そんな大切な馬を、やまんばあは食ってしまったのです。馬子どんが復讐するのも無理はありません。

ストーリーは、前半が逃竄譚(⇒《昔話雑学》)で、怖い山姥。ハラハラドキドキさせてくれます。
後半は、一転してこっけいな山姥。馬子に簡単に手玉に取られます。
山姥の二面的性格が面白いです。
こういう笑い話化は、聞き手の要求に応えるものではないかと言われています。


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ねこまた

秋田県の昔話

熊本県に根子岳の伝説がありストーリーはほぼ同じです。(⇒こちら
今回紹介する「ねこまた」は、秋田県の伝承で、土地にまつわる伝説ではなくて、架空の場所の話、つまり昔話です。
話型名は「猫山」または「猫屋敷」といって、全国に伝わっています。

ねこは、昔から人間に慣れ親しんできた動物です。けれども、犬と違って、昔話の中では、ちょっと不気味な存在でもあります。
「ねことかぼちゃ」「ねこと茶釜のふた」「ねこの踊り」などのねこは、ほぼ妖怪ですね。


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へびと鍛冶屋

へびとかじや

新潟県の伝説

新潟県の糸魚川に残っている伝説です。

もとの題名は「浪平行安」といいます。
へびが打った九百九十九本目の刀に、「浪平行安」という銘が入っていたからです。

時代や人物の名前が明らかではないので、昔話として再話しました。その際に、銘の部分は省きました。あまりにリアルで語るには怖いと思ったからです。けれども、最後に次の一文を加えて語ってもいいと思います。

「最後の九百九十九本目の刀には、「浪平行安」と名前が彫ってありましたとさ。」


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ねこの家

ねこのいえ

熊本県の伝説

根子岳(ねこだけ)というのは、熊本県にある標高1433mの山で、阿蘇五岳(あそごがく)のひとつです。

肥後国(ひごのくに=現熊本県)のねこは、七歳になると、根子岳に修行に行くといわれていました。その修行の場がねこの家です。
人間にとっては恐ろしい家ですね。迷い込みたくないです。

根子岳にはもうひとつ伝説があります。それは、根子岳は阿蘇五岳のうちの末っ子で、背が高くなるために、鬼と契約したというものです。
鬼が阿蘇の国を自由にあばれまわれるかわりに、自分の頭に竹田の土を積ませたのです。
それを知った阿蘇大明神が怒って、根子岳の頭をぴしゃぴしゃたたきました。それで、根子岳の山容はギザギザなのだそうです。


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法事のみやげ

ほうじのみやげ

京都府の昔話

この話は、わたしと同世代の人が、祖父から体験談として聞いた話です。

50年くらい前までは、きつねやたぬきに化かされた体験談が数多く話されていたそうです。しかも、全国どこでも同じような話、つまり類話なのです。
口伝えでストーリーを楽しむ気持ちは、いつまでも生きているということですね。

お盆やお正月など、親族や親戚が集まるときに、こんな話を知らないかとリサーチすると、きっと楽しいでしょう。


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