ブックトーク

子どもと本をつなぐ方法として、もっとも直接的なのは、ストーリーテリングと読み聞かせです。さらに、本に興味を持たせ、子どもたち自らが本を手に取るための方法として、ブックトークがあります。ブックトークは、本のすべてを読んで聞かせるのではなく、その本に何がかかれているのかを紹介する手法です。

@物語であれば、あらすじを説明する。または、あらすじを説明しながら、ところどころをピックアップして読む。

@科学や歴史などの説明文や図鑑のようなものであれば、だいたいの内容と、ビジュアルなページを何枚か見せる。

@文学作品の場合は、作者の説明もする。

だいたいこんなところでしょうか。 

紹介する冊数は、目的によって異なります。

@ストーリーテリングがメインのおはなし会ならば、最後に、語った本の出典本を紹介します。短時間ですが、これもブックトークです。もし時間に余裕があれば、出典本に関係のある本も2、3冊紹介するといいでしょう。たとえば、「いばらひめ」のあとに、グリム童話を何冊か紹介して本の目次を読むだけでも、子どもの興味をひくことができます。

@10冊程度の本を30分ほどかけて紹介する場合は、テーマを設けます。「水」「宇宙」「平和」など大きなものから、「えんぴつ」「カレーライス」「即席めん」「屋根」など身近なものまで取り上げることができます。

科学読み物や、社会・歴史を扱った本、物語の本、絵本、図鑑、いろいろなところから集めてきて組み合わせます。すべてを本の説明だけで終わらせないで、短いストーリーテリングを入れたり、絵本なら1冊ぜんぶ読んだりして、飽きないようにくふうします。

たとえば、「即席めん」なら、人類の食べ物の歴史、現代の食糧事情、食品添加物について、小麦の植生や世界のどの地域でどれほど生産されるのか、宇宙食について、宇宙開発について、宇宙飛行士について、初めて即席めんを作った人の伝記、その時代の社会背景等、絵本・物語本・事典・図鑑など年齢に合わせて様々な児童書が出版されています。また、「おいしいおかゆ」などの食べ物の出てくるはなしを語ったり、探せば楽しい詩もあるはずです。

物語本は、ふつう、結末を伏せておいて、子どもに続きを読みたい気持ちにさせます。ただし、低学年では欲求不満になるかもしれないので、気をつけなければなりません。

ストーリーテリングは、途中でやめないで最後まで語ります。

@テーマに沿った本をできるだけたくさん紹介する場合もあります。これは、まずテーマの説明をしっかりしたうえで、30冊ほどを、ワンコメントしながら次々にテーブルに並べて行きます。 

どの形のブックトークでも、気をつけなければならないことがあります。

ひとつは、本の表紙をきちんと見せて、本の題名と作者を正確に読むことです。ブックトークは、「本の紹介」なのですから、これは基本です。

もうひとつは、ブックトークのあと、子どもたちがそれらの本を読める環境を作ることです。つまり、紹介した本を教室にしばらく置いておけるようにしましょう。図書室の本を利用するか、公共図書館から団体貸し出しで1か月間借りるといいでしょう。

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