王さまの病気

おうさまのびょうき

マルタの昔話

大笑いしながら心が温まる話ですね。
この魔法、偶然といってしまえばそれまでですが、主人公のまっすぐな思いが生んだ奇跡だと感じます。

地中海のマルタ島は、日本の屋久島の半分くらいの面積の島です。そんな小さな島に伝わる小さなほほえましい昔話です。


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金のひげの巨人

きんのひげのきょじん

フランスの昔話

「かしこいモリー」や「ジャックと豆の木」とよく似たスリル満点の楽しい話です。

ATU328「少年が鬼の宝を盗む」

主人公が盗む鬼の宝が、いかにもふしぎな呪物で、想像力をかき立てます。

長い話ですが、スピーディに進むので、退屈することはありません。主人公も、敵役の巨人(たち)も陽気で、楽しく聞くことができます。

中学年から聞けると思います。


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動物たちの冬ごもり

どうぶつたちのふゆごもり

ロシアの昔話

協力して作業をしようというときに、怠け心のせいで断り、その成果だけを手に入れようというわがまま者の話はよくあります。それがこの話の前半です。
そして後半では、そんなわがまま者たちが、危機に瀕しては一転して協力して、悪者を追いはらいます。

幼い子が喜ぶ話です。
「冬を避けて夏を探しに行くんです」のくりかえしがリズミカルで印象的です。

ATU130「動物たちの夜の宿(ブレーメンの町音楽師)」と130A「動物たちが家を建てる」が合体しています。


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お月さまをさがしに行くはなし

おつきさまをさがしにいくはなし

パプア・ニューギニアの昔話

イリモというのは、東南アジアに生えている高木です。
「イリモ」というのは、パプア・ニューギニアでの呼び名で、日本では「エリマ」と呼ばれて合板の材料として輸入されています。大きいものは高さ70メートルにもなるそうです。

この話は、月の満ち欠けについての伝承です。
幼い子に、月は満ち欠けがあるんだよと教える話ですね。
月や太陽についての由来ばなしは、いろいろな民族が持っています。天体に物語を見る、素朴な空想が楽しいです。


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ガラスの山

がらすのやま

フランスの昔話

フランスのロレーヌ地方の話です。ロレーヌ地方は、ドイツ語ではロートリンゲンといいます。ちょうどフランスとドイツのあいだにあって、かつてはひとつの国でした。そこで、独自の文化が残っています。

ATU400「いなくなった妻を捜す夫」
この話型の話はとても人気があるようです。グリム童話にも3話入っています。(KHM92「黄金の山の王様」、93「からす」、193「太鼓たたき」)
どうして妻(姫)がいなくなったか、探す旅の道中の出来事、妻を奪還するための戦い、と、ストーリーが進むので、長い話になります。
いろいろなおなじみのモティーフが組み合わさっていって、いかにも昔話らしい話になっていきます。

ここでは、冒頭が、羽衣のモティーフで始まります。日本の「天人女房」とそっくりです。そして、見てはいけないというタブーを冒したために、妻は白鳥になって飛び去ります。

妻を捜して旅する伯爵は、極端に年とった隠者三人に出会います。3回のくりかえしがあります。
とちゅうで、動物たちの分配をアドヴァイスするというモティーフがあります。
動物たちは、お礼に贈り物をくれますが、その贈り物が、妻を救い出すのに、ぴったりの力を持っています。状況の一致ですね。
魔法がとけるときには、場所の一致や時間の一致が奇跡を感じさせてくれます。
竜の頭が七つあるとか、竜の命のありかが図形的であるとか、まるで昔話の語法のオンパレードですね。


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長い春のために

ながいはるのために

オランダの昔話

ATU1541「長い冬のために」という話型で、愚か者の話です。

キーワードの「長い春」は、「長い冬」だったり「非常時」「良い日」だったりします。

お人よしのおかみさんや困っているお百姓を上手くだまして、男はひどいやつですが、これがトリックスターの一面なのです。

日常生活でだれにでもある思い違いや失敗を笑い飛ばすのが愚か者の話。
語りあって笑い飛ばすことで、自分も他人も許すことができるし、共感が寛容を生みます。そのためのトリックスターであり、そのためにストーリーが極端になっているのです。


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お話をして命が助かる話

おはなしをしていのちがたすかるはなし

ウクライナの昔話

深い森のある国には、森の中に森女っていうのがいるんですね。妖精や山男やババ・ヤガーの仲間なんでしょうか。

森女は、どうしてお話がきらいなのでしょうね。

でも、パンの作り方や食べ方が、お話になるんですね。パンの一生っていうお話でしょうか。
そういえば、ずうっと昔、ストーリーテリングの本の中で、子どもたちに何時間でも電話帳を読んで楽しませるおじさんの語り手がいたって読んだことがある。そのときは理解できなかったけれど、今は少し分かるような気がします。
聞き手がいて語り手がいたら、何でもお話になるんです。


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愚か村の人たち

おろかむらのひとたち

フランスの昔話

世界じゅうにある愚か村話のひとつです。
愚か村話については《昔話雑学》をみてください。こちら⇒

この話の前半は、ATU1450「賢いエルゼ」という話型で、グリム童話にもあります。

後半は、ATU1384「夫が妻と同じくらいの愚か者を3人探す」という長い名前の話型(笑)。
夫が妻の愚かさに激怒して、家を出て行きます。「おまえみたいに愚かな者が3人いたら、もどって来るが、もし見つからなかったら、帰って来ない」と宣言して。そして、すぐに3人見つけるという話。
まあ、世の中ってそんな物なのかもしれませんね。
この後半は、枠物語になっています。こちら⇒
ここで3つの愚か話が語られます。そして、3つとも、どこにでもあるモティーフです。

ふと思ったのですが、落語がそうであるように、同じ話でも人は飽きずに笑うのですね。聞くたびに思い当たることがあって新鮮なんでしょうね。


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りこうなうさぎと勇敢なやぎ

りこうなうさぎとゆうかんなやぎ

ブラジルの昔話

うさぎとやぎのチームプレーがうまいですね。
りこうなうさぎに対して、やぎは、おくびょうな部分もあるし、りこうな部分もあるし、のんきな部分も持っています。うさぎがトリックスターだとすると、やぎは、凡人、ふつうの私たちのような性格ですね。でも、友情のおかげで、「勇敢なやぎ」に成長します。

ブラジルの昔話には、先住民族が伝えた話と、ヨーロッパから侵略してきた白人たちの持ってきた話と、奴隷としてアフリカから連れてこられた黒人たちが持ってきた話があります。
「りこうなうさぎと勇敢なやぎ」は、どれだと思いますか?
ブラジルにはいないライオンが登場していますね。そう、黒人が伝えた話です。


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ガムバール

アルメニアの昔話

この話の主人公は、貧しい若者ガムバールです。彼の人生を導くのは、かしこい妻(皇帝の娘)です。
ストーリーはガムバールの行動に沿って進みますが、ほんとうの主人公はかれの妻ではないかという気がします。

物語の真ん中で、ふしぎな井戸が現れます。けれどもそれを中心に物語が進むのではなく、ガムバールと妻の行動に焦点が当てられています。

これらのことから、この話は、とても小説的な雰囲気を持ちます。
それで、彼岸や彼岸の援助者が登場するけれども、まほうの話ではなく、人間たちの話に分類しました。

「たとえ十メーラくれるといっても不正直な仕事は断るんですよ」「愛する者こそが、常に美しく見える」「あなたたちも、自分の幸福は、待たねばなりません。」など、ところどころに、印象的な文言が出て来ます。

結末句もすばらしいです。


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