悪魔の宿屋

あくまのやどや

コルシカの昔話

登場する悪魔は、父親も息子たちも、たしかに彼岸の存在なのですが、とても人間くさくて、ユーモラスです。

人生を「好奇心街道」と呼んで、いらぬ好奇心を抱くとたとえそれが同情心からであっても地獄に落とされる。なんだか理不尽ですが、人生を生き抜く知恵なのかもしれません。

主人公は、15フラン持って旅に出ます。
そして、ふしぎな女のひとから、15フランでアドヴァイスを3つもらいます。
「話十両」のモティーフですね。
語法的に言えば条件の一致です。


下のボタンからテキストをダウンロードできます。

語りが聞けます



⇒まほうの話一覧へ

神さまと盗まれたパン

かみさまとぬすまれたぱん

リトアニアの昔話

ポーランドの昔話に「サヤエンドウじいさん」という話があります。ちょっと長い話なのですが、その話のユーモアとやさしさが好きで、まだおはなしを始めたばかりのころに語っていました。
それの類話が、この「神さまと盗まれたパン」です。

若者がうそをついてもおじいさん(神さま)は黙って許します。そして、何度も告白のチャンスを与えます。
だれかが罪を犯してしまったときに、直に追求しないこと。それは難しいことだと思います。

最後に神さまは、主人公に「自分の道を行きなさい」といいます。
若者はもう二度と盗みをしたりうそを言ったりしないでしょう。

中高学年の子どもたちが喜ぶでしょう。


下のボタンからテキストをダウンロードできます。

語りが聞けます。


⇒まほうの話一覧へ

恐いものなしのジョヴァンニン

こわいものなしのじょヴぁんにん

イタリアの昔話

ATU326。話型名は「怖さとは何かを知りたがった若者」

グリム童話4番「怖がることを覚えるために旅に出かけた男の話」も同じ話型です。グリム4番はとても長い話ですが、イタリアのこの話は、すきっとまとまっていて、類話だとは思えないくらいです。

この話型では、主人公がラストで何を怖がるのかが注目されますが、ジョヴァンニンの話はとても哲学的で印象的です。

また、人が顧みなくなった屋敷に宝が隠されていて、その宝が世に出たくて化けて出てくるという「化け物寺」の話は、日本にもたくさんあります。
興味深いです。


下のボタンからテキストをダウンロードできます。

語りが聞けます



⇒まほうの話一覧へ

トリーレヴィープ

デンマークの昔話

ATU501「3人の年老いた紡ぎ女」

前半は、イギリスの昔話「トム・ティット・トット」やグリム童話「ルンペルシュティルツヒェン」のような名まえ当ての話です。
でも、トム・ティット・トットやルンペルシュティルツヒェンが悪魔的な存在なのに対して、トリーレヴィープは、心優しい妖精のようで、聞き手をほっとさせてくれます。
トリーレヴィープのやさしさは、後半の3人の糸紡ぎ女のモティーフにはっきり表れます。娘がこびとに感謝している結末も、聞いていて満足感があります。


下のボタンからテキストをダウンロードできます。

語りが聞けます


⇒まほうの話一覧へ

コヨーテが星座をつくる

こよーてがせいざをつくる

アメリカの昔話

ひしゃくの形として知られる北斗七星。
世界じゅうの民族が、この星々をながめて物語を語り伝えました。
ここで紹介したのは、アメリカ先住民族ウォスコウに伝わる話です。

トリックスターとしてのコヨーテは、北斗七星だけでなく、すべての星座をつくりました。まるで芸術家のようです。


下のボタンからテキストをダウンロードできます。

語りが聞けます。



⇒はじまりの話一覧へ

地獄へ行った少年

じごくへいったしょうねん

ドイツの昔話

ATU475「地獄の釜焚き男」
男の子の成長を語る話です。

靴のかかとがすり減るまで働かされるモティーフは、日本の昔話にもあります。
地獄ではありませんが、やはり人里離れたふしぎな場所での話です。

地獄の釜の中に少年のおばあさんがいて、言葉の贈り物をくれます。ふしぎな光景です。
ストーリーの後半で出会ったおとなたちが、どんなふうに少年の人生という旅のじゃまをしたのか、考えさせられます。


下のボタンからテキストをダウンロードできます。

語りが聞けます


⇒まほうの話一覧へ

相棒

あいぼう

クロアチアの昔話

ATU「死神の名付け親」
グリム童話「死神の名付け親」の類話です。

神さまは公平無私じゃない、死神こそが公平無私だという考えは、皮肉ですが一理ありますね。そこまで追いつめられた庶民の思いが伝わってきます。

死神はその公平無私な鎌をふるって主人公を永遠の眠りにつかせます。


下のボタンからテキストをダウンロードできます。

語りが聞けます。



⇒まほうの話一覧へ

鍛冶屋のコレン

かじやのこれん

クロアチアの昔話

ATU330「鍛冶屋と悪魔」

主人公のコレンは、トリックスターと考えていいと思います。だれもがこわがる悪魔を手玉にとって、地獄へ行くどころか、この世で大金持ちになります。
笑ってスカッとする話。
ただ、現代の日本の子どもには、鍛冶屋とか修道院にあまりなじみがないのが残念です。

類話的には「フランチェスコの話」⇒こちらや「みじめおばさん」⇒こちらも同じ仲間になります。
そのことから分かるのは、昔話は、構成やモティーフが同じでも、テーマや雰囲気は一話一話異なるということ。語り手はちゃんと見分けなければいけないと思います。


下のボタンからテキストをダウンロードできます。

語りが聞けます


⇒まほうの話一覧へ

フランチェスコの話

ふらんちぇすこのはなし

イタリアの昔話

イタリアのコルシカ島で語られた話です。

ATU330「鍛冶屋と悪魔」
鍛冶屋が悪魔を出しぬく話の仲間です。もともとは、ユーモラスな話です。「みじめおばさん」⇒こちらも類話です。
でも、ずいぶん雰囲気が異なるのは、ストーリーが主人公フランチェスコの一代記のように展開しているからでしょう。
昔話というより伝説的であり、同時に小説のような世界観です。

大人や、人生や生と死について深く考える年ごろの若い人に。


下のボタンからテキストをダウンロードできます。

語りが聞けます


⇒まほうの話一覧へ

太陽を射る

たいようをいる

台湾の昔話

月がどのようにして生まれたのか、そのなぞを解き明かす物語です。
たいへんな任務は、親の代では終わらず、子によって成し遂げられます。
時間と忍耐と犠牲によって月は生まれました。
みかんの木のエピソードも印象的です。


下のボタンからテキストをダウンロードできます。

語りが聞けます


⇒はじまりの話一覧へ