おおぐいむすめ
クロアチアの昔話
ATU501「三人の年老いた紡ぎ女」
グリム童話KHM14「三人の糸紡ぎ女」やデンマークの「トリーレヴィープ」⇒こちらと同じ話型です。
でも、この「大食い娘」の話は、深刻さがなくてとてもコミカルですね。
そして、妖精たちの体の不具合も糸紡ぎのせいにしないで、主人公がちゃんと直してやる、そのやり方もユーモアに満ちています。
主人公の娘は、大食いであるだけでなく、とっても知恵がありますね。
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ようきなぴぺ
ロートリンゲンは、フランスの、ドイツに隣接する地域。ドイツ語読みではロートリンゲン、フランス語読みではロレーヌです。
この地方の民衆が昔話を語り伝える場は、「楽しい部屋」と呼ばれるだんらんの部屋で、気の合った村人たちが集まって、歌ったり話をしたりしたそうです。
何世代にもわたって伝えられてきた昔話はその家の財産と考えられ、遺産のようにしっかり守って次の世代に伝えなくてはならないと考えられていたとのことです。
この「陽気なピペ」は、ATU330「鍛冶屋と悪魔」に分類されます。
「恐いものなしのジョヴァンニン」にあるモティーフが使われていますが、落ちてきた怪物が600年も呪われていたお姫さまだなんて、奇想天外。しかも、ピペはそのお姫さまと結婚します。昔話の語法的には、平面性の表れ。
長い話ですが、ユーモアがあって、つぎつぎとエピソードが展開して、飽きません。
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かじやのこれん
ATU330「鍛冶屋と悪魔」
主人公のコレンは、トリックスターと考えていいと思います。だれもがこわがる悪魔を手玉にとって、地獄へ行くどころか、この世で大金持ちになります。
笑ってスカッとする話。
ただ、現代の日本の子どもには、鍛冶屋とか修道院にあまりなじみがないのが残念です。
類話的には「フランチェスコの話」⇒こちらや「みじめおばさん」⇒こちらも同じ仲間になります。
そのことから分かるのは、昔話は、構成やモティーフが同じでも、テーマや雰囲気は一話一話異なるということ。語り手はちゃんと見分けなければいけないと思います。
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ドイツの昔話
悪魔というのは、本来、恐ろしい存在なのですが、なぜか人間にやっつけられる愚かな面があります。
そんな話が世界じゅうにあって、国際昔話話型カタログ(ATU)では、「愚かな鬼(巨人、悪魔)の話」として第1000番から200種類ほどあります。
こんな話を生み出す民衆の精神がとても健康で愛すべきだなあと感じます。
「ちょうむすび」は、人間が悪魔に、悪魔のできないことをやらせて、自分の魂を救う話型に属します。
類話には、悪魔に、おならや息をつかまえて結び目をつくらせたり、こぼしたブランデーで結び目を作らせたり、音をつかまえさせたりします。
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まだらのめうしよ、ふるふる
田んぼのお米を食べる鳥をつかまえたのですが、命を助けてやると、恩返しにまだらの雌牛をくれます。
この鳥は、主人公のおじいさんを助けてくれる援助者ですね。
鳥は、雌牛といっしょに言葉の贈り物もします。「まだらの雌牛よ、フルフルといってはいけませんよ」
ところが、おじいさんは、さっそくこの言葉を唱えます。そしてそのおかげで富を手に入れるのです。
昔話では、禁令は破られるという構造を持っていますが、あまりにもストレートなので、思わず笑ってしまいます。
ATU563「テーブルとロバとこん棒」。
よく知られているノルウェーの昔話「北風に会いに行った少年」と同じ話型ですが、主人公のおじいさんが、したたかなのに、のんびりした空気感があっておもしろいです。
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