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欲の深い鍛冶屋

よくのふかいかじや

リトアニアの昔話

ATU330「鍛冶屋と悪魔」

話型名は「鍛冶屋と悪魔」ですが、登場するのは、悪魔ではなくて神さまです。
主人公の鍛冶屋は、欲ばりだし面倒くさがり屋だし、考えは浅いし、いいとこなしの人物です。でも、神さまは彼を見捨てません。

昔話には、こんな主人公がたくさん登場します。自分はダメ人間だと思っている人が世の中にはたくさんいて、その人たちに、それでも救われるんだって、メッセージを送っているようです。
だれでも、多かれ少なかれこの鍛冶屋のような部分を持っているのだと思います。

正しくあれと教える話ばかりでは、疲れますものね。


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北斗七星

ほくとしちせい

ウクライナの昔話

原話は「ヴォス(荷車)の星」といいます。
星のならびの形が荷車を連想させるからなのでしょうけれど、ストーリーに荷車は出て来ないので、一般なよびかたの「北斗七星」を題名にしました。

北斗七星にまつわる話は世界じゅうにあります。人の想像力の豊かな広がりをおもしろく思います。
アメリカ先住民族に伝わる「コヨーテが星座をつくる」もあわせて見てください。⇒こちら


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りんごのうす切り

りんごのうすぎり

ジョージアの昔話

ATU513「並はずれた旅の道連れ」
グリム童話の「六人男世界をのし歩く」や、日本の「こんび太郎」と同じ話型です。
主人公は、旅の途中、特別な能力を持った人と仲間になります。その仲間の力で目的を達する話ですが、この「りんごのうす切り」のように、結局は主人公ひとりが敵をやっつけることが多いです。
ほんとうは能力があるんだけど、仲間がいてはじめてその能力を発揮できるということなのかなと思います。

長い話です。
でも、昔話らしいモティーフが次々出てくるので聞きやすいと思います。


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いらくさとよもぎ

中国の昔話

中国少数民族の白族の昔話です。
よく似た話として、日本の「天道さま金のくさり」⇒こちらがあります。「まゆ綱灰づな」⇒こちらも類話ですね。
この類話は朝鮮半島にもあります。⇒こちら

恐い話なので、幼い子には向きませんが、子どもの好きな逃竄譚です。 
結末が由来譚になっている点は、日本の話と同じですね。


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皇帝ののみ

こうていののみ

マケドニアの昔話

話型名は、ATU513A「6人が世界じゅうを旅する」。
グリム童話KHM71「六人男世界をのし歩く」の類話です。

冒頭の、皇帝がのみの皮を当てさせるのは、求婚者テストです。
それにしても、のみを育ててその皮をはぐなんて、ナンセンスもいいところですね。このユーモアが話全体をおおっています。だから、6人兄弟の能力(特性)が、課題解決にぴたりと合致することも、奇跡的な驚きというより、思わず笑ってしまうような面白さです。(ここは、昔話の語法的にいえば、状況の一致ですね)

テンポよく軽やかに語って楽しめばいいと思います。


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大食い娘

おおぐいむすめ

クロアチアの昔話

ATU501「三人の年老いた紡ぎ女」

グリム童話KHM14「三人の糸紡ぎ女」やデンマークの「トリーレヴィープ」⇒こちらと同じ話型です。
でも、この「大食い娘」の話は、深刻さがなくてとてもコミカルですね。

そして、妖精たちの体の不具合も糸紡ぎのせいにしないで、主人公がちゃんと直してやる、そのやり方もユーモアに満ちています。

主人公の娘は、大食いであるだけでなく、とっても知恵がありますね。


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陽気なピペ

ようきなぴぺ

フランス(ロートリンゲン)の昔話

ロートリンゲンは、フランスの、ドイツに隣接する地域。ドイツ語読みではロートリンゲン、フランス語読みではロレーヌです。

この地方の民衆が昔話を語り伝える場は、「楽しい部屋」と呼ばれるだんらんの部屋で、気の合った村人たちが集まって、歌ったり話をしたりしたそうです。
何世代にもわたって伝えられてきた昔話はその家の財産と考えられ、遺産のようにしっかり守って次の世代に伝えなくてはならないと考えられていたとのことです。

この「陽気なピペ」は、ATU330「鍛冶屋と悪魔」に分類されます。
「恐いものなしのジョヴァンニン」にあるモティーフが使われていますが、落ちてきた怪物が600年も呪われていたお姫さまだなんて、奇想天外。しかも、ピペはそのお姫さまと結婚します。昔話の語法的には、平面性の表れ。

長い話ですが、ユーモアがあって、つぎつぎとエピソードが展開して、飽きません。


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いちじく畑の亡霊

いちじくばたけのぼうれい

アルゼンチンの昔話

話型名を「幽霊に変装した泥棒たち」といいます。
スペイン、ポルトガル、イタリア、ブルガリア、アルゼンチン、エジプト、ナイジェリアに報告があるそうです。世界でもせまい範囲でしか語られていないんですね。
でも、このおもしろさは、普遍的な気がします。

話型カタログでは、1740Bですが、この前後には同じようなおかしな話が並んでいます。

高学年のおまけの話にどうぞ。


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悪魔の宿屋

あくまのやどや

コルシカの昔話

登場する悪魔は、父親も息子たちも、たしかに彼岸の存在なのですが、とても人間くさくて、ユーモラスです。

人生を「好奇心街道」と呼んで、いらぬ好奇心を抱くとたとえそれが同情心からであっても地獄に落とされる。なんだか理不尽ですが、人生を生き抜く知恵なのかもしれません。

主人公は、15フラン持って旅に出ます。
そして、ふしぎな女のひとから、15フランでアドヴァイスを3つもらいます。
「話十両」のモティーフですね。
語法的に言えば条件の一致です。


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神さまと盗まれたパン

かみさまとぬすまれたぱん

リトアニアの昔話

ポーランドの昔話に「サヤエンドウじいさん」という話があります。ちょっと長い話なのですが、その話のユーモアとやさしさが好きで、まだおはなしを始めたばかりのころに語っていました。
それの類話が、この「神さまと盗まれたパン」です。

若者がうそをついてもおじいさん(神さま)は黙って許します。そして、何度も告白のチャンスを与えます。
だれかが罪を犯してしまったときに、直に追求しないこと。それは難しいことだと思います。

最後に神さまは、主人公に「自分の道を行きなさい」といいます。
若者はもう二度と盗みをしたりうそを言ったりしないでしょう。

中高学年の子どもたちが喜ぶでしょう。


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