親すて山

おやすてやま

朝鮮半島の昔話

現代日本にもつうじる老人問題。親孝行が道徳的にとても大切にされている朝鮮半島でも、このような話が残っているのですね。《日本の昔話》に、同じ話型の話を載せています。⇒こちら「おばすて山」

グリム童話にも、夫婦が老父を邪魔にするのを見た幼い息子が、いつか両親が年老いたら同じようにしようと粗末な食器を用意をする話があります。やはりそれを見て夫婦は改心します。「おじいさんと孫」という話です。洋の東西を問わないということかな。


下のボタンからテキストをダウンロードできます。

語りを聞けます。



⇒ 人間たちの話一覧へ

オーバーン・メアリー

イギリスの昔話

ケルトの昔話。長い話です。ヨーロッパの昔話によく出てくるエピソードが次々とつながって、聞き手を飽きさせません。原題は「THE BATTLE OF THE BIRDS(鳥たちの戦争)」ですが、話型名「主人公の逃走を助ける少女」AT313にちなんで、「オーバーン・メアリー」と題しました。

開けてはいけないといわれたのに袋を開けてしまう。だれにもキスさせてはいけないといわれたのに、飼い犬がキスをする。など、禁令と禁令破りではらはらします。

主人公がオーバーン・メアリーといっしょに巨人から逃げるとき、リンゴの切れ端が彼女に変わって返事をします。巨人が追いかけてくると、馬の耳から木や小石を出して後ろに投げ、それは森や山になります。まるで「三枚のお札」です。

骨の再生は、古い宗教とかかわりのあるモティーフ。最後の古いかぎと新しいかぎもいかにも昔話らしいモティーフです。

最後の2文は結末句です。昔話雑学を参考にしてください。

こういう長いストーリーは、わかりやすい言葉でテンポよく語るのがコツ。子どもの「それで?それで?」に応えるように語りましょう。


下のボタンからテキストをダウンロードできます。

音声(YouTube)が表示されない場合はこちら⇒


⇒ まほうの話一覧へ

白い子ねこ

しろいこねこ

オーストリアの昔話

恐ろしい魔女。魔法の力で城は岩山に変わり、王と城の人たちはカラスに変身させられ、岩山の周りを飛びつづけなければならない。城の周りの湖は凍りつき、だれも寄せつけない。そのつめた~い雰囲気が気に入って再話しました。
主人公は女の子。可愛がっている四匹の白い子ねこの力を借りて魔法を解きます。


下のボタンからテキストをダウンロードできます。

⇒ まほうの話一覧へ

こびとのおくりもの

オーストリアの昔話

ヨーロッパ版の 「 こぶとりじいさん 」 です。
日本の話では山の中で鬼がコブを取りますね。ここでは、森の中で小人がコブを取ってくれます。日本の話と同じく、ちゃんと踊りの歌もあるんですよ。「 月曜日、火曜日、… 」 という曜日の歌なんですけど、子どもたちはそれが気にいったらしく、すっかり覚えて道で会っても歌ってくれます ( 笑 )。
音声は2年生のライブです。


下のボタンからテキストをダウンロードできます。

テキストは『語りの森昔話集1おんちょろちょろ』にも掲載しています。こちら⇒書籍案内

2年生のライブが聞けます。




⇒ まほうの話一覧へ

ジャックと豆の木

ジャックとまめのき

イギリスの昔話

音声は、2年生に語っているところ。
だいたい3年生くらいが一番ノッてきますが、ハラハラドキドキ、笑いありなので、もっと小さい子でも楽しめます。私は、幼稚園の5歳児さんの卒園まぎわ二月に語ります。15分はかかる話ですが、子どもたちはまじろぎもせずに聞いた後、「 短~い! 」 といいますね。初めは映画や紙芝居とは違うので 「 あれ? 」 っという感じですが、すぐにストーリーに入り込みます。


下のボタンからテキストをダウンロードできます。

テキストは『語りの森昔話集1おんちょろちょろ』にも掲載しています。こちら⇒書籍案内

2年生のライブが聞けます。




⇒ まほうの話一覧へ

三びきのくま

イギリスの昔話

音声は1年生のライブ。

よく知られているのは、女の子が主人公のロシアの昔話ですね。
イギリスのこの話はおばあさんがくまの家にやってきます。だから子どもたちは主人公と一体になることはなくちょっと離れて見ています。むしろくまたち、とくに一番小さいくまに心を寄せているようです。それで、勝手に他人の家に入り込んで食べたり寝たりするおばあさんを、ちゃんと批判することができます。
二階の窓からとび出したおばあさんがどうなったか、想像して楽しそうに話してくれますよ。

三回の繰り返しのリズムが心地いいので、四歳の一学期から聞けます。

テキストは『語りの森昔話集4おもちホイコラショ』に掲載しています。こちら⇒書籍案内

1年生のライブが聞けます。



⇒ 動物たちの話一覧へ

天までとどいた木

ドイツの昔話

長い話です。
三人兄弟の末っ子、まぬけなヘルムが主人公。よくあるモティーフです。
このヘルムが旅をするのですが、まず木を登る途中で七人のお婆さんに次々に会います。天に上ると、そこはひとつの世界で、課題をクリアしてお姫さまと結ばれる。けれど、タブー違反を犯して、さらにはるかかなた暗闇の世界に向けて旅に出ます。そこでさらなる課題が待ちかまえています。
男の子が、まるで階段を上るように成長していく、幼さから脱皮していくことが語られています。


下のボタンからテキストをダウンロードできます。

⇒ まほうの話一覧へ

とらの恩返し

とらのおんがえし

朝鮮半島の昔話

韓国のお話です。この話は1923年に現在の全州市で語られています。
原話の出典の 『 朝鮮民潭集 』 は朝鮮半島が南北に分かれる前に編纂されていま す。それで、テキストには 「 朝鮮半島 」 の話としました。

動物の恩返しの話は、日本にもたくさんありますね。鶴の恩返しとか、きつねの恩返しとか、 変わったところではナマズの恩返しとか。
「 とらの恩返し 」 はいかにもとららしい威勢のいい恩返しの仕方で、ユーモラスでさえあります。子どもたちはと らに親しみを感じて笑いながら聞いてくれます。それだけに、さいごの場面は胸を打たれます。


下のボタンからテキストをダウンロードできます。

語りを聞けます。



⇒ 動物たちの話一覧へ

りこうなまほうの鳥

りこうなまほうのとり

モンゴルの昔話

話の中に話が3つも入っていて複雑です。このような構成の話を、枠物語と言います。《昔話雑学》で確認してください。
語るのはちょっと難しいと思いますが、ぜひ紹介したいと思って再話しました。とても不思 議な雰囲気のお話です。
中学生以上向けです。

テキストは『語りの森昔話集1おんちょろちょろ』に掲載しています。こちら⇒書籍案内

語りを聞けます。




⇒ まほうの話一覧へ

洪水

こうずい

中国の昔話

船を作って動物たちを救ってやるのは、まるでノアの方舟ですね。
後半はこの動物たちが主人公の少年に恩返しをします。そう、これ も動物の恩返しの話です。
「 黒い髪の人間は助けてはいけない 」 というタブーを犯して、少年はろうやにぶち込まれてしまいます。動物たちと対照的な人間の不誠実。考えさせら れますね。

テキストは『語りの森昔話集1おんちょろちょろ』に掲載しています。こちら⇒書籍案内

語りを聞けます。




⇒ まほうの話一覧へ